ノラガミ 〜 桜の咲く頃に 〜
□名前
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「おー、今から行くとこあっから。」
そう言って夜トに連れてこられた、古いお店。何処か懐かしい感じがする。
「‼夜トちゃあーん‼久しぶりぃっ‼」
「おーっ☆久しぶりだなっ」
そう言って、中から飛び出してきた、小柄でとても可愛らしい女性。
ピンクの髪がさらに彼女の可愛らしさを引き立てていた。
「あらぁ、久しぶりじゃない。小福の小娘っ!」
「あっ、剛っちぃだ!(ゴッチ)」
「ちょっとぉ‼いい加減、そのナンセンスなネーミング辞めてくれる⁈」
「うぉらぁっ‼神器の分際で、ウチのカミさんに何て口聞きやがる‼」
ふるふるっ…
隣で剛ちゃんが俯いて震えている。
…もしかして怒ってる?
「…さま。」
えっ…
「大黒様あっ‼会いたかったわあああぁ‼」
そう言って剛ちゃんは、コワモテの男の人に飛びついた。
「てめぇ‼くんな‼きめぇ‼コロスぞ‼」
スッゴイ暴言を吐かれてるのに…殴られても剛ちゃんはその男の人に抱きつこうとしていた。
う、うわぁ…
かなり青ざめて、その光景を眺めていると、先ほどの小福さんという方が話かけてきた。
「あ、夜トちゃんの新しい神器ちゃんだねっ」
「あ、はいっ…」
「お名前はぁ?」
「あっ、白音ですっ」
この方…このオーラ…神様だ…。
オロオロしてると、その小福さんはあたしに飛びついてきた。
「何緊張してんのぉーっ‼ねぇねぇ、何で、何でっ?」
「あーっ!ちょ、ちょっ‼」
「あはっ☆白りんカワイイっ。」
そう言って小福さんはあたしの胸を後ろから触っていた。
「ウチのカミさん、バカだから。」
コワモテの男性はボソっとあたしに言った。