ノラガミ 〜 桜の咲く頃に 〜
□出会い
1ページ/1ページ
暖かくて冷たい…気付いた時には周りは一面の雪景色だった。
「あれ?ここ何処だっけ…」
なにも覚えてないや。
…木。桜?
何であたし、桜の木の下で寝てるんだろ?
ここは何処?
誰もいないの?
…誰もいない…の…
何も覚えてない。
誰もいない。
あたしは一人なんだ。
「よぉ」
いきなり後ろから?いや、上から声がした。
「だ、誰!?」
「お。お前、誰にも障られてねーな。」
見上げた木の上には…男の人?
ちょうど太陽が当たって逆光で誰だか分からない。
「誰、誰ですか!?」
「いや、オレよりお前に名前の方が先だろ」
「…は?」
その怪しい奴は、変な呪文を唱えた。
「!?」
「オレは夜ト。お前の主だ。彼岸より召し上げしお前を神器とする…て、お前武器じゃねーのかよ‼…ちっ‼」
…あたしは一枚の布切れになった。
真っ白な。
白という名をもらって。