デュラララ!

□俺の相談相手
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相談相手がいないと思ったのは最近のことだろう。人の相談は人一倍聞いてるくせに自分にはいないのだから因果なものだ。仕方なくあの人に電話しようと思った門田だが、それも後々恐ろしいことになりそうでやめた。

「はぁ……」
深く溜め息をついてみる。自然と落ち着くことが出来た。

「どうしたの?京平くん」
そこには今一番いや、二番目に会いたくない人物がいた。

「悩みでもあるの?いつでも聞くよ」
その言葉は優しく俺を包み込んだ。ただ、今はこの人に会うのはいい判断ではない。後が怖い。
「気にしないで下さい!大したことではないので」
素早く赤林さんから離れ、自宅に向かうことにした。

その道中に
「こんにちは、四木さん」
四木さんに会った。
「こんなとこで何を?」
いつの間にか人が少ない方に来ていたらしくそういった人種の集まるような場所に来ていたらしい。
「ここは危険です。とりあえず、俺の部屋まで来て下さい」

そういうと早足で俺を目的地まで案内した。





「ここです」
案内された先はよく片付けられたシンプルな部屋だった。
「私の部屋です」
と簡素な説明をする四木さん。

「で、どうしました?」
一瞬間が空き答える。
「何がです?」
「赤林さんのことでしょう……」
確かに今悩んでいる最重要案件だが、何故分かったのか冷や汗が流れた。
「顔に書いてあります」
自分がそんな顔しているのか確認したかったが、やめた。それよりも相談をいち早くするべきだと思った。
「・・・赤林さんと先日会って偶然ですが俺の連絡先が知りたいって…」
「教えたんですか?」
可哀相なものを見る目を俺に向ける。
「はい。1時間2通は最低。電話はおはよう、おやすみコールに加え、暇な時間帯にかけてきます。お陰で仕事に身が入らなくなって…」

「分かりました。私がなんとかしておくので今日は帰って下さい」

「ありがとうございます!」
と言うと俺は大人しく帰っていった。








次の日から赤林さんからの連絡は一切入らなかった。


何か穴が空いたようでもの足りなく感じた。

「こんなつもりじゃなかったのにな…・・・」

「どうしたんだい?そんなとこで落ち込んでさ」
一瞬身体が動かなくなった。あまりにも驚くべきことでだ。
「なんで赤林さんが!?」
「俺がわざわざ動くとしたら、京平のために決まってるだろ」
その言葉を聞くだけで満足だった。
連絡することは絶たれても直に会いに来てこそ赤林という男だと思った。

「ありがとうございます。やっぱり、赤林さんにはかないませんね」
つい、笑みがこぼれ赤林さんから目線をそらしていた。

「可愛い・・・」
「え?」
驚きは一瞬でその後は思考停止した。
「暖かいよ、京平」
一気に抱き寄せられ俺は一回りデカい身体に埋もれた。
言葉のキャッチボールにはなっていないが伝えたいことはすべて分かった。

「俺もです・・・」



俺は恥ずかしさから顔から耳までとにかく真っ赤だっと思う。


顔を上げさせられ強制的にキスを強要される。
「んっ、ぁ・・・」
声を上げようとしたが中途半端に塞がれ、更に快楽に飲み込まれたことに羞恥した。
それが、良かったのか赤林さんは何度も俺の唇に重ねてくる。
離しては別の角度から重ねることの繰り返しが延々と続けられたかのように思えた。


「うおっ・・・ちょっ・・何してるんすか?」
尻に違和感を感じ見てみれば案外俺にとっての異物を侵入させようと準備をしていた。

「ごめんよ、京平君が嫌ならやめるから・・・」
ただ、自然とその行為は嫌ではなかった。

「今はやめて下さい」
しばらくの沈黙の後赤林さんの方から口を開いた。

「“今は”ね・・・。それなら、また今度」













(相談相手探してるなら俺が乗るのに)

(赤林さんに話したら意味ないですよ、)

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