デュラララ!
□どっちが好きなの?
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「ねぇ・・・今日会おうよ」
「ごめんなさい。先約がいるので、」
それを聞くと一方が肩を落とししょんぼりする。
赤林は考える。何故会ってくれないのか?と。休日又は仕事がない日は常に連絡をとるがほとんど会えないのはおかしい。大切な人が出来て時間がないのではという考えに至った。
赤林は門田の元へ急いだ。
そこにいたのは、門田と青崎だった。
「え!?青崎さん」
赤林より驚いたのは二人だった。
「何してやがる!馬鹿林!!」
「あのね、おいちゃんは名前に馬鹿がつけられても嬉しくないからそろそろ外してくれる・・・って違うよ。何で青崎がいるの?」
「門田に会いに来たんだろうが」
今になってすべてがつながった。休みの度に電話しても青崎とは休みは大体同じようにとっていることを。そして、最近の青崎の態度。前よりも柔らかくなった気がすることを。
「どういうことなの京平くん?」
バツが悪そうに赤林を見つめると青崎と一回チラッと目配せする。
「なんでもねぇよ…・・・」
「青崎さんには聞いてないよ!」
「チッ・・・メンドクセー野郎だな」
舌打ちをし、赤林を気だるそうに見つめる。
「京平くん、おいちゃん泣きそうだよ。ゴリラに恋人を奪われたんだからね」
それを聞いた門田はすぐさま反論する。
「違うんです!青崎さんには相談に乗ってもらっていただけですって」
「門田…・・・ゴリラも否定しろよ」
二人の後ろで殺気を放って見ている青崎はまさに青鬼と呼ぶに相応しかった。
赤林は表情には出さないが不安な心情だった。それは門田にも勿論伝わっている。
「京平くん、相談って何の?」
困ったような顔をする門田を見て不安は増すばかりだった。
「言えません!」
今まで赤林の頼みは聞いてくれた門田が事情なしでの断りに赤林自身驚いていた。
「……・・京平くん。おいちゃん嫌い?」
悲しげに紡がれる言葉は門田に痛みを与える。
「チッ・・・しょうがねぇな。今日呼ばれたのはお前の誕生日プレゼントのためだよ」
「へっ…」
赤林は素で間抜けな言葉を漏らした。
「だから、そういうことです」
しばらくの沈黙の後
「おいちゃん一人なんか馬鹿みたいだね」
と赤林が呟いた。
「馬鹿林、付き合いが長いってだけでお前の好みなんて分からん」
「ちょっ、馬鹿って!」
「お前の口から欲しいモンいいやがれ!ただし、門田は俺が予約済みだけどな」
そう言うと一気に門田の顔は赤面する。
「京平は俺のだからな。例え青崎さんでも譲れねぇよ」
昔から付き合ってきた青崎にはこういう時の赤林は面倒だと分かっていた。
耳元で囁く赤林
「京平くんは俺が幸せにするから」
額にキスをして
「京平は俺のモンだよな」
「え?京平って青崎さん。。」
「どうした?京平」
その一言でもう青崎に目を合わせられなくなっていた。
「青崎さんが名前呼んだぐらいで…ズルいよ……」
行いの差だと言われ、悔しがる赤林だったがすぐにいつもの状態に戻るのは流石と言える。
「それなら俺が上書きしてやろうかな」
そう呟いた赤林の言葉には重みがあった。
門田はニット帽を深くかぶると近くに停めてあった車に駆け足で乗り込む。
「ったく、俺を殺す気か・・どっちも離せないに決まってんだろ」
はぁはぁと息遣いは荒くなっていた。
(あれ、門田さん。なんか顔赤いっすよ」
(熱か?)
(成る程、遂にドタチンにry)
(黙ってろ!)