デュラララ!

□お持ち帰り
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赤林に先程自慢話を長々と聞かされた青崎は苛立っていた。
「ったく、話が長いにも程がある。恋人が出来たかなんだか知らんが、」
怒りを通り越して呆れてしまった。

「気分転換にあそこに行くか」
目的地は、門田京平のところだった。






***
青崎と門田の出会いは門田がダラーズを名乗るチンピラから絡まれていた時だ。

「お前最近調子に乗りすぎじゃねぇか?!」「ダラーズは上下関係ないはずだろぉ?なに幹部面してんだよ!」
頭の悪そうな男数人が門田に今にも襲いかかりそうな態勢だ。

「はぁ・・・ほら、さっさとかかってこい」悪気はないのがまるで危機感のない言葉はチンピラを激怒させた。




門田の力ならば、一撃で十分だった。ただ、相手が武器を持っていない点と手加減しなければ。

「がっ!!・・」
無力化したはずの敵が最後の力でスタンガンを門田の足に当てた。
全身に痛みが走り崩れおち、形勢は逆転した。

「はっははははーーかーどたぁーいいザマだぜ!」
門田は普通の人間だった。静雄であれば数秒で回復し、反撃出来ただろう。セルティであってもそうだろう。
動けずに男達に大人しく攻撃を受け続けていた。


そんな時、現れたのが青崎だった。日本人の習性なのか、周りで何もせずに問題を見つめる。解決方法だったら、警察でも呼べばいいのに。と誰しもが思っている。
そんな野次馬を見て何かと青崎はその中心を覗いた。
数人の男にミンチにされているニット帽の男だった。その光景を見た青崎だが、助けるという文字は頭の中になかった。だが、必然的に助ける形になってしまった。
野次馬を押しのけ、最前列まで来ていた青崎はあまりにも目立ち過ぎた。身長は180〜190、ガタイもいい、更に目つきは堅気のものではないと分かるほどだ。
「てめぇ…なんか用か?」

「あ?なんでもねぇよ…」
だが、返事はどうでもいいという風に男達は襲ってくる。
青崎は冷静に相手の動きを見てガードの甘い鳩尾に拳を叩き込む。

「がっ・・・ッ」
一瞬の内に二人は意識をなくした。




「大丈夫か?あんちゃん」
意味もなく攻撃された青崎はニット帽の男に同情した。

「・・なんとか体は動きますけど、ッ・・・」
顔を見ただけで以前赤林が何度も見せてきた門田だと分かった。聞いていた通り痛みに耐えながら話してくる様は流石に喧嘩慣れしていると思う。
周りの目を考えて、門田を病院まで運ぶことにした。青崎の車は駅一つ分程度の距離にあり、担いでいくには遠すぎた。

現実的には救急車を呼ぶというのが一番だが、門田は周りを心配させたくないと言いそれを却下させていた。

「…タクシー呼ぶぞ。それで俺のウチに来ればいい。道具ぐらいなら揃ってるからな」


「ありがとうございます、、」
と言う門田は90℃の最敬礼、低姿勢でそれは似合わないが守ってやりたい、愛でたいと思うほどだった。それに対して青崎は赤林の話を思い出していた。

(とにかく可愛いの!おいちゃん毎日抱きしめていたいぐらい!!毎日じゃなくて毎分、いや秒単位でry)


確かに可愛いと思ってしまった青崎がいた。








それから青崎は徐々に門田に夢中になっていた。無意識の内に。



***
目的地に着くと突然考えていたことを実行した。

「・・・なぁ・・俺のことどう思う?」
そのことを聞かれれば案の定返答に詰まり、焦る。
考えをまとめたのか時間をかけてからゆっくり口を開く。
「命の恩人だし、感謝してます。俺にとって頼りになる存在です」

「頼りになるか・・・俺のこと好きか?」

「え・・」
「スマン。からかっちまったか、悪いことしたな」
すまなさそうに門田を見る。

「本当のことを言ってもいいっスか」

「ああ…」
答えてくれるとは思わず、素直に緊張していた。

「あ、青崎さんには何度もお世話になったし、やっぱり、友人なんです…」
その言葉は青崎には重くのしかかる。淡い期待をかけていた分ショックも大きかった。

「それでも、心のどこかで友人以上の気持ちも抱いているのかもしれません。そ、そのアレです!!今は保留ってことで、、恥ずかしいですね、、」
顔は赤面しており、青崎をまともに見ることは出来なかった。
「それを聞けただけで良かったよ。またな」
手を振って、別れを済ませると青崎は闇に消えていった。








(なぁ…赤林)
(どうしたの、青崎さん?)
(アイツ貰っていいか)
(え!?アイツって誰?もしかして、京平くんのこと!!突然どうしたの?もしかして、既に手を回した後なの?京平くんの貞操が(ry

(……コイツのこと門田はどう思っているんだろうな)

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