デュラララ!

□おいちゃん物語
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-おいちゃんだって昔は好きな人がいたんだよ-

事務所のソファーで寝転びながら考えにふける赤林。
「で、なんで俺の部屋でくつろいでんだよ!」
怒りを露わにする青崎を無視して記憶を遡る。


「ったく、好きにしろ」
いつものことだと言わんばかりに諦める。


事務的なことは青崎にとっては苦手とするものだが、それでも組のためにと自ら率先して行っていた。勿論それなりに時間を要してしまうのだが。


長時間の作業となるとかなり肩が凝る。少し休みたいところだが、ソファーは赤林が占領しているのを見て溜め息をつく。

「ちっ・・・すやすやといい寝顔してるぜ」
いつもはへらへらとしているようで隙がない赤林の無防備な姿を見ると青崎に何か不思議な感情が芽生えた。

「まあ、いいか。コイツの馬鹿顔見てたら疲れが吹っ飛んだぜ」ただ、その表情はいつもより柔らかく、口調も尖ったものではなかった。

「・・・馬鹿じゃないですよ、」
寝起きで呂律が回らないながらも、なんとか意識を覚醒させた。
「起きてるならそこをどけ。俺が寝る」

「おいちゃんが先にこの場所にいるんだよ。早い者勝ち」
勝ち誇った笑顔で青崎を見る。
「うるせぇ!元は俺のだ。四木とこにでも行っちまえよ」

「おいちゃんは青崎さんのところにいたいの」
は?という疑問符を頭の中で巡らせる。
「何故だ?」

「言わせないでよね。青崎さんってデリカシーないなぁ」


その言葉を発した直後に眠って、てこでも動かなかった。











仕事が終わると赤林を起こして事務所から出ようとするが、中々起きない。結局、青崎が運ぶことになった。



赤林自宅間際、寝言を呟いたのを青崎は聞いた。
「青崎さん大好きだよ・・・」
そして、軽く頬に赤林の唇が触れた。

「お、お前何して・・」
一瞬にして青崎は顔を真っ赤にした。そして、赤林に一言浴びせた。






「やっぱり、お前は苦手だよ」

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