替え歌

□六兆年と一夜物語
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名も無い、とあるパーティの 聖堂騎士の青年の

誰も知らない 昔ばなし

両親が死んだ時から 身寄りのない孤児として

院を訪ねて 彼と会った


最初のうちは 笑ってたけど

「君の名前は………」 睨み付けてさ


知らない知らない 俺は何も知らない

喧嘩した後のやさしさも

意地張ったまま出来ない和解

でも本当は本当は本当は本当にしたいんだ

逃げたい逃げたい 院から逃げたい

出ていくことも出来ないくせに

誰も知らない 昔ばなしは

夜明けと共に吸い込まれて消えてった



吐き出す様な暴言と 蔑んだ目の毎日に

君はいつしか そこに立ってた

謹慎中の身なのに「君にお願いしたいんだ」

ごめんね院長 救えなかった


俺の居場所は ここには無いのに

「一緒に行こう」 手を引かれてさ


知らない知らない 僕は何も知らない

「君はもう独りじゃないことも?」

慣れない他人(ひと)の手の温もりは

ただ本当に本当に本当に本当のことなんだ

やめないやめない 君は何でやめない?

かたき討てる保障もないくせに

雨上がりに 忌み子がひとり

青空の下で笑いながら旅に出た



女神割れ空が荒れ 暗黒の神が目を覚まし

「惨めでも生き延びるんだ」

「助けたことを後悔するぞ…」

「何度でも俺が止めてやる」



お願いお願い いつか見たいんだ

忘れたことのない あの笑顔

止める間もなく背を向けたまま

夕焼けの中に吸い込まれて消えてった

知らない知らない 俺は何も知らない

君の行く先も消息も

だけど今はこれでいいんだと

ただ本当に本当に本当に本当に思うんだ



知らない知らない 兄の行方は

夕焼けの中に吸い込まれて消えてった

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