△ハウルと悪魔
□キッカケ
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おかしい…。
閉店時間だからhamiuの電気が消えてるのには説明がつく。
だけどhamiu以外の、ソフィーの仕事場、リビング、ベッドルーム、お風呂場…
家中の電気が一つもついていない…。
--カランカラン--
「ソフィー?いるの?」
「あらこんにちは、みき。長い間、こんな所に隠れていたとはねー…。」
低くて重みのある女の声が背後から聞こえる。
この声には面識がある。
この声は…。
「荒れ地の魔女!!」
「ふふふ、あなたの魔力は私が頂くは。」
そう言った荒れ地の魔女はみきめがけて飛んでくる。
-------殺される-------
無意識に思った。
人生の終わりを悟った。
「みき!!!」
パリンッ…
ソフィーがみきを呼ぶ声の後に、陶器の割れる音がした。
ソフィーがみきを守るために、荒れ地の魔女目掛けて花瓶を投げたのだ。
身の危険を感じた荒れ地の魔女は舌打ちの音を残して消えていった。
「はぁ…はぁ…」
「ソフィー…」
初めて本当の魔法使いを見たのであろうソフィーは、青ざめた顔で息を切らしていた。