△ハウルと悪魔
□再開
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ガタガタガタ…
ミシンの音がお店に響く。
小さな看板には「hamiu」と書かれたこの店は、みきとソフィーで営む下町のボウシ屋だ。
「ソフィー。ソフィー?ボウシの飾りを作るロウが切れちゃったから、私ちょっと買いにいくね。」
「ありがとうみき。ついでにジーナの所に行って、顔色見てきてくれる?」
「うん、わかった。」
街は戦争へ行く兵士たちの戦勝祈願という名のお祭りで、大通りと広場は人で埋め尽くされている。
みきはいつも使う裏通りに迷わず足を運ぶ。
ソフィーのくれた麦わらボウシが飛ばないように、俯きながら歩く。
と、その前に兵服を着た人に前を遮られる。
「何かお探しかな?子猫ちゃん」
こ、子猫ちゃん???
「おかまいなく」
「ならお付き合い願います。」
「結構です。用事がありますので。」
「ホントに子猫ちゃんだな。」
はあ…
「それなら大通りに出たら、お茶してくれる方はたくさんいますよ?」
「キミいくつ?この街の子?」
「やあ、やっと見つけたよ。」
えっ??
なにこの、懐かしい声…