ミネラルウォーター
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「カズくーん!一緒にかーえろ!」
二週間前に付き合い始めたユリちゃんが、
教室の前の扉から俺を呼んでいる。
人もまだらになった教室。
カバンに最低限の物だけ詰めて、
整頓されてない机の間を進んでく。
「ばいばい、斉藤」
ふいに声をかけられた。
伊藤だ。
「うん、じゃあな」
それだけ言ってユリちゃんの元へ進む。
伊藤の顔も見ずに。
早くユリちゃんのところへ行かないと
帰り道手を繋いで、キスをする。
俺は喉が渇いている。
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