TOS〜ラタトスクの騎士〜(完結)
□第8章
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〜氷の神殿〜
リーガル「驚いたな……。フラノールの街もずいぶん暖かかったがここも氷が溶けている……」
エミル「本当はもっと寒いところなんですか?」
リーガル「うむ……。この辺りも一面雪と氷に覆われていた」
そこには、ある人がいた……
リフィル「……驚いたわ。これはセルシウスの涙……かしら」
マルタ「あの声、リフィルさんじゃない!?」
エミルたちは駆け寄る。
ジーニアス「みんな!」
リーガル「無事だったか!」
リフィル「無事……?何かあったの?」
マルタ「大変なんです。実は……!」
エミルたちはフラノールについて話す。
ジーニアス「……そんな……フラノールが……!」
リフィル「……おかしいわね。フラノールは別に反マーテル教の街ではないわ」
ジーニアス「姉さん、そういう問題!?」
リフィル「ええ、そういう問題よ。何故、ロイドはフラノールを襲ったの?」
エミル「それは……とにかく人を殺したかったから……」
リーガル「いや、それは合理的ではないな。前におまえたちはロイドと戦ったが殺されなかった」
マルタ「……そうか……。今まで襲われたのは反マーテル教だったり その疑いがあるってことだったっけ……」
リーガル「……そう言えば、二人は何故ここに来たのだ?」
ジーニアス「あ、そうだった。こっちも大変なんだ!実はセンチュリオン・コアを見に来たんだけど……」
エミル「まさか、ロイドに取られてたんですか!?」
ジーニアス「ロイドじゃなくてフラノールのアクセサリー屋さん持ってっちゃったんだ」
マルタ「ええっ!?」
リフィル「丁度私たちがここに来たときにアクセサリー屋の主人と会ったの。彼はセンチュリオン・コアを持っていたわ。返して欲しいと言ったんだけど、そんな貴重な品なら転売できるから駄目だって……」
テネブラエ「……まずいですね。危険です」
エミル「そうだ。確か普通の人がコアを持ってると心が壊れちゃうって……」
テネブラエ「ええ。性質が凶暴かつ残忍になります。大抵は破壊衝動に突き動かされて暴れたりするようです」
リーガル「それが本当ならロイドのフラノール襲撃に説明がつくのではないか」
リフィル「ロイドがセンチュリオン・コアの影響で暴走している……?」
ジーニアス「大変だよ!ロイドを追いかけなきゃ!ロイドはレアバードでどっちに行ったの?」
エミル「えっと、確か北の方だよ」
リフィル「ここからさらに北……。ならメルトキオ方面かしら……」
リーガル「ロイドの追跡は二人に任せよう。私はエミルたちとセンチュリオン・コアを追う」
マルタ「いいんですか?」
リーガル「共に行かせてくれと頼んだのは私だからな」
エミル「じゃあリフィルさんたちとはここでお別れですね……」
ジーニアス「そっちはセンチュリオン・コアを、ボクらはロイドを追いかける」
リフィル「状況的には再開する可能性が高いわね。その時まで、お互い無事で」
エミル「はい!」
リフィル「それじゃあ、私たちはこれで……」
リーガル「そうだ、リフィル。手紙の件だが…… しかと了解した」
ジーニアス「それって……お付き合いするってこと……?」
リフィル「……お願いね。さ、ジーニアス、行くわよ」
ジーニアス「そ、そんなぁ……」
ジーニアスはリフィルに引きづられる。
マルタ「なんか、大人の恋愛ですね!ドキドキしちゃう!」
リーガル「い、いや……それよりも街でアクセサリー屋を探そう。行くぞ」
リーガルは先に行く。
マルタ「えへへへへ、リーガルさん照れてる!エーミル♪私もエミルとなら『しかと了解』しちゃうけど?……って、そうだ。こういうのダメなんだった。ご、ごめんね、エミル」
エミル「……う、ううん」
エミルたちはフラノールに戻る。