みじかいの。
□雪うさぎ
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20××年、冬。
私の中学校生活、最後の冬。
大切な人と雪うさぎを作った。
私と謙也は別々の高校へと進む。
雪が溶けて水になったとき。
私達は離れ離れになるの。
『雪、溶けちゃうや…』
涙が溢れる。きっと雪が溶けて私の目から雪解け水が流れ出してるんだ。
そばにいたい、
「なぁ、紫乃…
雪が解けたら何になるか知っとるか?」
『水だよ。水になって、思い出も全部流しちゃうの。』
「ちゃうで。
雪が解けたら、春になるんや。
そら、離れ離れにはなってまう。
でも、新しい季節になって
春の思い出を振り返ればええんや。
会おうと思えば何時だって会える。
また、新しい思い出だっていっぱいつくれるっちゅー話や!」
雪うさぎは解けた
(またね、大好きだよ。)