犬夜叉

□第ニ話
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「っ…ん……」

ゆっくりと、かごめが目を開ける。
その周りを見れば、珊瑚、弥勒、七宝が倒れていた。

「………! 珊瑚ちゃん!弥勒様!七宝ちゃん!」

一番先に起きたかごめが、他の三人を揺する。
それによって、みんなが小さい呻き声をあげながら目を開ける。

「か、かごめちゃん?! ここは……」
「かごめ様…我々は……。先程まで楓様の小屋に…」
「おら…どうしたんじゃ?」 

珊瑚と弥勒は冷静だが、目覚めたばかりなのに加えてか、七宝は混乱しているようだ。

「分からないわ…いきなりこんな……森?」
「っ!! これは、御神木!」

意識もはっきりしてきたのか、みんなは周りを見渡す。すると弥勒が、近くの巨大な木を見つける。

「御神木……」

みんなが御神木を見つめる…。
しかし暗くなってきてるからか、詳しくは見れないようだ。

「とりあえず、暗くなる前にここを出ましょう。なぜいきなりここに来たのかは分かりませんが、ここからなら村が近くにあるんですし」
「そうね…ここにいてもしょうがない」

弥勒の提案に、珊瑚をはじめとして七宝ものる。
だが、かごめだけは浮かない顔だ。

「かごめー? どうしたんじゃ?」
「犬夜叉がいないわ…」
「たしかに…元々あいつから光がでて、こんなことになったのに…」
「………!!」

神妙な面もちになったかごめたちの上の木がガサガサと揺れ、葉っぱが舞い落ちてくる。
それに反応したかごめが、頭上を見上げる。

「犬夜叉? 犬夜叉ー!!」
「か、かごめちゃん?!」
「っ! これは……」

いきなり犬夜叉を呼んだかごめは走り出し、珊瑚と七宝はかごめを追う。
だが弥勒だけは、自分たちに落ちてきた葉っぱを一瞬見つめ、しばし考えてから走り出した。
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