腐向け

□恋じゃない!
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「また一緒にバスケやろう」
そう言った彼―黄瀬涼太くん―の瞳は本気だった。
中学で一番仲が良かった、なんて…
そんなこと、思ってない。
思ってない…はず…

「黒子っちー!」
…また来た。最近はほぼ毎日ウチの学校にくるようになった。
「黄瀬くんは暇人なんですね」
「黒子っちを考えるのに忙しいっス」
「真顔で言わないで下さい殴りますよ」
「黒子っちのパンチならカムカムっス!」
本当に殴ってやりたくなった。

「…黄瀬くん、どうしてしょっちゅうウチにくるんですか」
「え、そりゃあ黒子っちに会いに…」
「新しいチームに、海常に、馴染めないんですか?」
「…まさか。キャプテンの笠松先輩だって、森山先輩だって…皆、受け入れてくれたっスよ」
「じゃあ、どうして…」
「…っ」
「ちょ、ちょっと、黄瀬くん…」
チームの皆が見てるのに、恥ずかしいことこの上ない。
…いきなり、抱きしめないでほしい。
「黒子っちだけっスよ、認めてくれないのは」
声が震えていた。
「…すいません」
その一言を言うのに、精一杯だった。
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