平助の母親

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☆★夏休みが始まるよ。★☆QLOOKアクセス解析





今日は終業式で平助たちは半日で学校から帰ってくる。
そして明日からは夏休み。
結局バスケ部の正式な顧問の先生が決まらないで、活動するのかどうなのかわからないまま夏休みを迎えてしまった。

バスケ部の今後の不安を抱えながらぶちぶち愚痴ってた平助だけど…。

わたしが家に帰る頃にはきっと夏休みの活動のこともどうなるのかはっきりしてるハズだよね。


そんなことを思いながら、わたしもいつも通り平日の静かなショールームで書類の入力やファイリング等の事務作業を進める。


夏休みかぁ。
もしバスケ部の活動がないんだったら平助は夏休みの間、何して過ごすんだろう…。
千鶴ちゃんはきっと毎日剣道部の活動があるんだろうし…。

平助…。
寂しくないかなぁ…。

なんて、まだそうなるとも決まってないことなのに心配してしまう。


キーボードを打つ手を止めてはぁ…っと無意識にため息をついてしまうと、自動ドアが開いてその音に反応して顔を上げる。



「いらっしゃいませ!」



条件反射のように声を出して椅子から立ち上がるとショールームに入ってきたのは片手をあげてにこにこ笑顔の近藤さまとその後ろをこれまたにこにこ笑ってついてくる沖田くん。



「やぁやぁ!こんにちは苗字さん!今日も暑いねー!」

「いらっしゃいませ近藤さま!」

「こんにちは名前ちゃん。」

「こんにちは沖田くん。今日はお二人とも、いつものパートナーと違うんですね」



二人をいつもの常連カウンターの席へと勧めて言うと、はははっと大きな笑顔で近藤さまが笑って



「いやはや、やっぱり俺たちだけじゃ役不足かぁ、参った参った!」

「???」



何かおかしなことを言ってしまったかなと頭の後ろをぽりぽりしながら言う近藤さまを不思議そうに見ていると椅子に座った沖田くんが盛大にため息を吐く。



「っはぁぁあぁ!なぁんだ。僕と近藤さんだけじゃ名前ちゃんは満足できないって言うんだ。はああぁあ!」



急にご機嫌ななめな様子でカウンターに頬杖を付く沖田くんの言葉に、え!?どうしてそうなるのと慌てるわたし。
そんなわたしの様子を近藤さまはまたまたはははっと笑って


「もうすぐ苗字さんのお目当ての人物もやって来るよ」と言う。



その言葉通り、裏の駐車場に通じる出入り口が開いて、そちらを見ればとしくんに続いて一くんも後からこちらへとやって来た。



「いらっしゃいませ!」



近藤さまをお迎えしたのと同じようにとしくんたちにも声をかける。
一瞬としくんと目があったけれどその視線はスッと素早く逸らされてしまう。

きっと沖田くんが頬杖を付いたまま、わたしととしくんの反応を鋭い洞察力で観察しているからなんだろうな…。

みんなが横並びのカウンター席について、それぞれ希望のメニューを聞いて用意する。

冷たいドリンクを喉に流し込みぷはっと一息つくと何かを思い出したように近藤さまが大きな声で話し出した。



「そうだ、苗字さん!先日は総司がすまなかったね」

「???」

「急に押し掛けて突然写真を撮ったって聞いてね」



そう言われてはっと気がつき一気に記憶が甦る。



「あっ!そうです!そうでした!!」



熱くなる頬を両手で押さえて声を上げるとオレンジジュースの入ったグラスをストローでカラカラ氷の音を鳴らしながら、



「え〜?ちょっと近藤さん?どうして謝るんです?僕はちゃあんと近藤さんから言われた通り任務を遂行したじゃないですか」



と飄々とした表情でストローをくわえてジュースを吸い上げる。

そんな沖田くんに

「ははは、まぁ俺の頼んだことはしっかり希望通りやってくれたには違いないんだがな」

と笑いながらドリンクと一緒に出したクッキーを口に放り込んで笑う近藤さま。



「いやしかしあのドレスは正解だったなぁ〜、なぁトシ!」



同意を求めるように一番遠くに座っているトシくんへと顔を向けて声をかける近藤さまにチラッと視線をほんの一瞬向けて短く
「あぁ」と答えてアイスコーヒーのグラスに口を付ける。



「確かにあのドレスを着た名前ちゃんは可愛かったけど…。」



何か不満げにストローをクルクル回しては氷をつつく沖田君。
グラスから視線をキッととしくんに向けて



「でもあのドレスを土方さんが選んだとか…、なんかスッゴク残念なんですけど。」



ふんっとトシくんから顔を逸らして口を尖らせる沖田くんにその場にいる全員がそれぞれの笑いかたで一斉に噴き出す。



「ははは、総司。今回はトシに一本取られたな」

「なっ!?近藤さん!僕は土方さんには絶対負けませんよ。その場に僕が居たらもっと名前ちゃんを輝かせるドレスになってたかもしれないのに!」

「はは、そうだな、次があれば総司も参戦したらいい!」




盛り上がる二人に苦笑いを噛み締めて私たち三人視線を合わせて笑いあった。
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