僕のおねえさん
□40.
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☆★土方さんに連れられて★☆
「あ…、あのぉ…、」
「あ?なんだ?んなとこ突っ立ってねぇで入れ。」
「え…、え…、、ぇぇえ!?」
駅からずっと(←!!)土方さんに手を引かれて(←!!?)着いた場所は、なんとも小綺麗なマンションで、手を引かれるままにエントランスに入り、エレベーターに乗り込み、玄関前へと辿り着いたわけなんですけど………。
入れって!
玄関の扉を開けて立つ土方さんを振り仰いで見上げればふっつーに何の感情もなくそういうけれどっ!?
入れって…!
ここ男の人の部屋でしょ!?
わ…、私…、自慢じゃないけど、お…
、ぉぉぉ男の人の部屋なんて、………、
ちょ、
ちょっと待って!
ないからっ!!
それに、
そんなのまだ今の私じゃ…
「おら、さっさと入れ」
「ムリですっ!まだ経験値が足りませんっ!!」
「………、はぁ???」
ムリだって言ったのに、扉を閉めながら背中を押され、そのまま土方さんと前後に並んでおじゃましてしまった…。
おじゃましてしまった……。
「わーーー!おじゃましてしまったーーー!!!」
「っ!?玄関で大声出すんじゃねぇっ!!」
べしっと後ろからはたかれる。
「だっ!?!?!?」
「っ!す…、すまねぇ…、つぃ…」
「ついって…」
頭叩かれた…。べしって…。
大声出した私もいけないんだけど、
でも、『つい』で手をあげるなんて酷ぃ…。
土方さんも咄嗟に出てしまったとはいえ、焦って謝ってくれたけれど、すぐにまたいつものスタンダードな表情に戻って、それから小さくため息をついて笑うと、地味にダメージを受けた箇所に両手をあてて小さく唸っている私のその手の上から今度は優しくポンポンと叩いて、
「お前の経験値がどんだけだか知らねぇが、今のでレベルアップしたんだろ?さっさと上がれ」
そう言って先に靴を脱いで廊下を歩いて行ってしまった。
レベルアップ……。
してしまったの…?
うぅ〜、なんだかよくわかんないけど、このままここで突っ立っててもまた怒鳴られそうだしもういいや!
人生初の男部屋が土方さんのお部屋だなんて…。
お付き合いし始めの彼氏の部屋にきゃっきゃしながらトキメキながらおじゃまするとかちょっとそういうの夢見てた頃もあったのに…。(中学生くらいの話だけどさ…。)
うん、もうこの際なんでもいいやぃ!
こちとらあの総ちゃんと二人で生活してんだ!今更そんなの気にするこっちゃねぇやぃっ!
総ちゃんとなんにも変わんないよっ!
うん!
どうしてこうなったのか、もう考えるのも放棄して、投げやりキャラになりきった私はこうして土方さん宅におじゃまする事になりました。