僕のおねえさん

□26.
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「なんか…、嵐のようですね…」

「本当に…。」



怒涛の休み時間が終わり、グッタリな私たち。
来てくれるのはありがたいんだけど、休み時間の度にこんな調子じゃ、とてもじゃないけど毎日やっていけるか自信ない。
しかも最初の休み時間よりも人数増えてた…。
しかも何故か男子生徒ばっかり…。



「島田さん…、」

「はい?」

「ここって、共学…、って言ってましたよね…?」

「あぁ、確かそんなこと大鳥部長が言っていましたね。」

「おかしくないですか?」

「何がです?」



お客様がいない今、私たちはテーブルセットのイスに腰掛けてアイスコーヒーを片手にちょっと一息。
こうでもしなきゃ身が持たない。

「何がです?」と、三個目のガムシロップを入れながら最後の一滴が落ちるのをジッと見つめる島田さんは、私がおかしいと感じたことを、もしかしたら大した事じゃないと思っているのかも…。
相手にされてないかもってちょっと被害妄想入りながらも、でもグッタリな私たちは、今いちいちそんな細かいこと気にすることもなく疲労感に従って思うがままを言葉に乗せる。



「だって、さっきから駆けつけてくる生徒って男の子ばかりじゃないですか。女の子一人も来ない。」



グスンと鼻をすすって泣き真似しながら言うと、ようやくストローでかき混ぜ始めたすっかりマイルドな色に変わったコーヒーから私へ顔を向けて、はははっと笑った。



「なんだ、そんな事ですか。」



うぅ…、やっぱりそんな事って言われた…。



「あれだけ男子生徒が勢いよく来ていたら、女子は気後れしてこられないのかもしれないですねぇ」

「……あー、なるほどー…、」



確かにそうかも…。
私だっていくら興味のある事があっても、あんなに男の子たちが一気に群がるようなところ、自ら進んで飛び込んで行くなんて絶対しない。頼まれたって絶対やだ。
そう考えると余計にあの押し寄せる男子生徒たち、何とかならないかなぁと思う。
もっと落ち着いたら女の子も来てくれるようになるのかな?

ふぅ、とため息をついてストローを口に咥えたところでなんだかものすごい視線を感じる!

なっ!?え??どこっ!!?


カップを勢いよく机に戻してあちこちキョロキョロ顔を向けて見ても、気配の正体は見当たらない。


けれど、本能的に何かが走ってバッと校舎の二階を見上げてみると、そこには窓を全開に開けて驚いた顔でこちらを見下ろしている総ちゃんと、その脇やら他の窓からワイワイ騒いでこちらを見ている男子生徒たち。



「そっ!!?総ちゃん!!」



立ち上がって校舎へ叫ぶ私に驚いて同じように校舎へ振り返る島田さん。



「お知り合いですか?」



きっと島田さんにはどれが総ちゃんなのかはわかってない。
呆然とこちらを見下ろしている総ちゃんから目を離せないまま、「弟です…。」と呟いた。
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