僕のおねえさん

□15.
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「名前ちゃんが来てくれて助かったわ〜!もうこの日は毎年ホントに大変なんだから!」



そういいながらもなんだか楽しそうな近藤さん。足元にはたまちゃんがてちてち不安定な足取りで近藤さんの後をついて行ったり来たり。



「私びっくりしました。試衞館、たたんじゃったんですね。」

「え?あ、あぁ。言ってなかったっけ?
そうなの。おじいちゃん死んじゃったでしょ?勇さんも忙しくてしばらく道場から離れてた時だったからね〜。」

「あ…、はぁ…」



ここでもやっぱりサッパリと語られる周斎先生の死。
そんなにポックリだったのかなぁ…。



「道場たたんでこどもの日のイベントもなくなったんだけどね、このお祝いだけは続けたいって勇さんが言うから。たまちゃんが生まれた年も頑張ったんだから、私!」



「あ、でもその年はミキさんがすごい張り切って手伝ってくれたんだったわ」とけたけた笑う近藤さん。



「あ、あの…、さっきから気になってたんですけど、お祝いって…?」

「ん?お祝いって言ったら誕生日でしょ?」

「誕生日?」

「そ。誕生日!」



ふんふん鼻歌を歌い始めちゃった近藤さんにそれ以上聞くこともできず、自分なりに考えて答えを出してみる。



お誕生日会……。



二年前からこどもの日のイベントがこのお祝いになったって事は…、
たまちゃんが生まれたのもちょうど二年前!
きっとたまちゃんのお誕生日って事だよね!

はっっ!それじゃあプレゼントは!?
何も知らなかったとはいえ、手ぶらできた挙句にご馳走になるなんて!



「近藤さんっ!私お誕生日会だなんて知らなくて!プレゼントも何も持ってきてないんです!すいませんっ!」



まっすぐ近藤さんの目を見て言えば、近藤さんはピタッと動きを止めてキョトンとすると、それから突然豪快に笑い出した。



「プレゼントなんてっ!そんなのいらないいらない!」

「え…、でも…!」

「そんなの、もらう方も『ンなもんガラじゃねぇ!』なんて言って受け取ってくれないわよ!この集まりだってお誕生会だなんて言ったら本人絶対こないからただの集まりって事で毎年やってんだから!」

「…?…??は…、はぁ…」



ますます意味がわからなくなってきた…。
たまちゃんのお誕生会じゃないんですか…。


………。


…………。



…………?????






う〜〜〜〜ん?








まぁ、


いっか。
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