僕のおねえさん

□73.
1ページ/2ページ

☆★初心いふたりの様子は…★☆QLOOKアクセス解析






いいよな…?














「名前さん…?ちょっと?名前さ〜ん?」

「ふっ………、………、ふぁっ!?はいぃっっ!!!」

「!!?」



名前を呼ばれている事に気が付いて慌てて返事をすると、目の前で私を呼んだ本人、
お千ちゃんのまん丸おめめがこれでもかってくらいに見開かれて驚かれる。



「あっ…、とぉ〜…、えっと……、ん?」



返事はしたけれど一体なんだったかなと首を傾げると、お千ちゃんは驚いた表情をゆっくりと隠すように俯き、ペンを握った右手をわなわなと…、
っていうか全身をわなわなとさせてなんだか次に何を言われるのか怖い予感…。



「………ん?じゃなくて………、」


っ…、ほ、ほらね…。


「んじゃなくてっっ!!!」

「ひぃいいいっ!」



持っていたペンごとバァアンと机を叩きその勢いで立ち上がるお千ちゃんはなんだか鬼のように怖い!



「名前さん、さっきからすぐに上の空になるけど一体なんなのっ!?私の取材、そんなに退屈っ!?」



至近距離で立ち上がって目を吊り上げて捲し立てるお千ちゃんに私は身を小さくして両手を胸の前で振って謝るしかない。



「ご、ごめんなさいっ!ちょっとぼぉ〜っとしちゃって…、本当にごめん!ちゃんとするから、座って、ね?」



私も椅子から立ち上がってお千ちゃんの肩に手を置いて座るように宥めると鼻息荒くも「もうっ!」と言って腰を降ろしてくれた。



「ほんとに…、名前さん、いつもボンヤリしてるけど、今日は特別ヒドイわね!何かあった?」



腕を組んでまだ少し怒った表情で睨まれてたじろいでしまう。
そして「何かあった?」と言うお千ちゃんの眼差しにうっと息が詰まる。



何かあったも何も…、


私…、人生二十六年目にして初めて…、




重なった感触がまだ残っている唇へ指をあてる。

私…、土方さんと…、



「〜〜〜〜〜っ!!!」

「っっっ!!?な、なんなの急に!ちょっと名前さん〜!?」



突然顔を真っ赤にして両手で顔を覆う私を前に、大慌てのお千ちゃんはさらに驚いて私を覗き込む。



「ちょっ…!?名前さん顔真っ赤!!大丈夫!?熱があるなら無理しないでよっ!」



力強く私の両肩を掴みガクガクと前後に揺さぶるお千ちゃん。

お千ちゃん…、私、熱がある訳じゃないけど…、
それほんとに熱がある人にやったらダメだからね…。


こんな調子で思うように進まないお千ちゃんの取材は、納得いかないながらもなんとか写真撮影とかも終えて「サイコーの記事にするわっ!」と気合いを入れ直すかの如く拳を上げて校舎へと戻るお千ちゃんの妥協によって無事終了した。



っていうか…、
取材って、なんだったんだろう…?



スタコラ戻っていくお千ちゃんの後姿を見送り首を傾げる。

お千ちゃん、生徒会役員だって言ってたし、生徒会に関連するものかな?


この時の私はお千ちゃんとのやり取りよりも土方さんとの出来事がほとんど全ての思考を満たしていて、
この何気ない取材がもたらす今後の事態に気付くことなんて全く微塵の予感すらなかった。







土方さんのくちびる……、




「〜〜〜っっ!」

「(びくぅっ!)」(←お客さんの心の声)
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ