平助の母親
□25.
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☆★デレでれだな。★☆
先生と繋がり、お互いの気持ちを確かめ合って、
何度も何度もキスをした。
この歳になって、誰かをこんなに好きになって、
こんなに愛されるなんて、夢にも思わなかった。
藤堂さんと会うことが許されなくなって、平助が生まれて、
わたしの人生はこの先すべて平助に捧げるって決めていたから…。
他の誰かを好きになったり、浮わついた気持ちになるなんて、
絶対にないと思っていたのに…。
先生に抱かれ、何度も何度も快楽の波に溺れ、気がつく頃には窓から射す光が赤く染まっていた。
「先生、わたしそろそろ帰らなくちゃ…」
後ろから包み込むようにわたしを抱き締めて離さない先生に呟く。
「………。」
「…、先生?」
返事のない先生に身じろぎして顔を向けようと少しだけ首を動かすとギュッと強く抱き締められ首筋に先生の顔が埋められる。
「あっ…」
首筋をちゅっと吸われ、思わず声が漏れる。
先生は肌に唇をつけたまま「名前…」と呟く。
「先生…、じゃねぇだろ?」
低く呟きながら首筋に舌を這わせて耳たぶを口に含む。
「や…」
「なんて言うんだ?」
意地悪くささやく先生に身じろぎしながら「と、トシさん、やめてっ…」と必死で言うわたし。
そんなわたしに満足したのか先生は体を起こし、わたしの頬にキスをする。
「名前…、今日はこのまま離したくねぇ」
このまま朝まで一緒にいてくれ
先生の切ない声でささやかれると、わたしはなにも言い返せなくなる。
いつも仏頂面だったり、不敵な笑みを浮かべる先生が、こんな顔を見せるなんて反則以外の何物でもない。
お泊まりの準備だとか家の戸締まりだとかいろいろ考えることや心配事はあったけれど、何も言えずにコクっと頷くと先生はわたしに覆い被さりあちこちにキスをする。
少し遅めの朝御飯を食べてから、夕暮れに包まれるまで、何も食べずにただひたすらお互いの隅々を愛し尽くす。
こんなに一度に何度も愛されたのは初めてで、自分がこんなにも男性を受け入れることができる体だなんて思ってなかった。
けれど、それができたのはきっと相手が先生だったから。
心から先生と繋がっていたいと想う気持ちが、何度も絶頂を迎えてももっと先生を求めてしまう。
先生も飽きることなくわたしを昇り詰めさせては欲を吐く。
二人とももうそんなに若くないはずなのに、一体どこからこんなに欲情が沸いてくるのだろう。
先生を離したくないとギュウギュウ締め付けるわたしを先生は苦笑いしながら頭を撫でて
「お前は俺のもんだ。ぜってぇ離さねぇからな」とキスをする。
その言葉になおさらキュンと締め付けてしまうわたし。
「好きだ。」
はぁっとため息混じりに耳元でささやかれバタっとわたしにのし掛かる。
先生の重さが愛しくて背中に両腕を回す。
「先生…」
「としぞう」
「あ、と、トシ…さん」
フッと先生が笑い、わたしも笑う。
「二人でいるときくらい、先生はやめろ」
優しく頬を撫でて微笑む先生。
「う…、そ、そうですよね…。でも、先生ってイメージが離れなくて…」
「…まぁ、お前みたいな童顔に先生って求められるのもある意味ソソられるんだがな」
鼻と鼻を合わせてそう言った先生はニヤっと笑みを浮かべてペロッとわたしの唇を舐める。
「んっ!」
その顔がなんだか厭らしくてつい「変態!」と先生の胸元を押し退ける。
びくともしないんだけど…。
「変態でもいいよ。」
フッといつもの笑みを浮かべる先生。
「もぉ…」
呆れて笑うわたしに先生はちゅっとまたキスをした。