平助の母親

□23.
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☆★鬼の棲家、御用改めである!★☆QLOOKアクセス解析





「おじゃましまーす…」

先生が扉を開いて私に先に入るように立つので、そそくさと中に入る。
すると一瞬で顔をしかめてしまった私。

「うっ!」
「あん?どうした?」

玄関の扉を閉めて靴を脱ぎながら後ろから私の顔を覗き込んでぎょっとする先生。

「おまっ、どうした!ひでぇ顔だぞ!」
「…ひどい顔って…。」
「またそんな眉間にしわ寄せて…。って、あぁ、もしかして匂うか?たばこ」

両手で鼻と口を押さえて眉間にシワをぎゅっと寄せる私を見て、先生は昨日お姉さんに言われたことを思い出したようだった。

「悪ぃな。普段は人が来るときにゃ、そこそこ掃除しておくんだが、今日は朝イチで家出ちまったし…。いま窓開けるからちょっと我慢してくれ。」
そう言って廊下を歩いて奥の部屋の窓を空けに行ってしまった。

「うぅ…」

なんでこんなにたばこの臭いが充満してるんだろう…。
ヘビースモーカーって言ってたけど、これはヒドイ。
私の顔をヒドイって言ってたけど土方先生の部屋の臭いの方がよっぽどヒドイよ…。

心の中で涙を流して玄関で靴も脱がずに突っ立っていると
「おい、そろそろ上がってこいよ」と部屋の奥から私を呼ぶ声。

先生、それが客人に対する振る舞いですか…。
ちょっと先生の人間と言うものがわかってきた気がする…。
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