社会人パラレル
□1ーC
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「でね!父の婚約者っていうのが私と2歳しか年が違わないのよ!?しかも超巨乳!写真でもわかるくらいだから相当なものよ!!」
ビビがバンバンとテーブルを叩く。
「それは羨ましいことだ」
「違ーーーう!!」
髪を大きく揺らしながら頭を振るビビは、先ほどまでの殊勝な態度が嘘だったかのように、タチの悪い酔っ払いに変貌していた。
膝に掛けてあったコートもずり落ち、今は白い太ももが丸見えだ。
ゾロはビビに気付かれないよう眉をしかめる。
こいつは絶対に俺のことを誘ってる、そう思った。
ゾロの心境を全く慮らない酔っ払いはテーブル越しにゾロの肩を掴み顔を覗き込んでくる。
「ねえ、男の人って皆そんものなの!?自分より若くて巨乳がいいものなの?あなたも硬派な侍みたいな佇まいして同じなの!?」
近い。
酔っ払いは距離感が狂っているらしく、鼻同士がぶつかるほど顔を寄せて喚いている。
ここで頭を捕まえたら簡単にこの煩い口を塞げそうだ。
勿論、自分の口で。
「お前な、俺のどこが硬派なんだよ。それに侍ってなんだ」
思うだけで行動には移したりしないゾロはビビの顔から目線を逸らした。
そうなるとどうしても視線はすぐ近くの胸に吸い寄せられる。
ビビの着ているワンピースは、足が丸見えなら谷間もバッチリ見える仕様だ。
「これだけありゃ余裕で挟めるよなあ」
どうせ酔っ払いには他人の話は耳に入らないだろうと声に出して呟いてやる。
ところがビビはしっかりそれをキャッチした。
「ええ?何を挟むの?」
耳は稼働していても思考はストップしているらしい。
それともこいつが馬鹿なだけだろうか。