未来捏造
□2ーゾロ+ナミ@
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あいつと離れてから、どれくらいの月日が経っただろうか。
その日々の間に、どれくらい、あいつを想っただろうか。
ビビと離れてから色々なことがあった。
空島は本当にあった。
ウォーターセブンで仲間がバラバラになって厄介だった。
ゾンビがウヨウヨいるわけのわからない島でネガティブにされた。
そして、ビビのことを知らない仲間ができた。
例えば。
フランキーとサニー号の甲板で馬鹿な話をしている時。
ブルックのバイオリンの音を肴に酒を飲んでいる時。
そこにビビの名残は微塵もない。
それは当然のことだ。
ビビはサニー号に乗船したことなどないし、フランキーとブルックに会ったこともない。
そう。
至極当然のことなのに。
時折ゾロの心臓は、ジリ、と焦げる。
ビビの名残がないことを嘆いているのではない。
ビビが居ないことに慣れていく自分を自覚して、ゾロの中の何かが叫ぶのだ。
あんなに姿を目で追っていたのに。
あんなに声に耳を傾けていたのに。
今は五感を駆使しても正しくビビの姿を思い描くことさえできない。
それはつまり。
ビビに対する感情が消えつつある、ということなのだろうか。