短編集
□秩序からの誘い
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朝。
風紀委員長として校門前に立つのが僕の日課だ。
それは勿論、校則違反をして群れてる小動物を咬み殺すたm『ひーばーりーさんっ! 私と付き合って!!』
……あぁ、また今日も始まった。
「……いい加減鬱陶しいよ、名字名前」
『わぁ、私の方を見ずに私だって分かるなんて、雲雀さんはエスパーですか!?』
「今度下らない事を言いに来たら咬み殺すって言わなかったっけ?」
『そんなエスパーの雲雀さん、私と付き合って下さいっ!』
「……(話聞いてないし)」
この電波女・名字名前は一応並中の生徒で、確か沢田綱吉と同じクラスだったはず。
どうしてあの小動物の周りには問題を起こす小動物しか集まらないのか。
……独特の臭いでも嗅ぎ分けて群れているんだろうな。
『雲雀さん雲雀さんお願いです! 雲雀さんが大好きな私と付き合って下さいっ!』
「……あのさ、もう授業が始まってる時間って気付いてる?」
『そんなの関係ありません! 私にとっては授業よりも雲雀さんの側にいる事の方が大切なんです!』
あぁ駄目だ。
毎朝毎朝、同じような台詞ばかり。
もう我慢の限界だよ。
「名字名前、君を風紀を乱した罪で咬みこr「おい、並中の風紀委員長さんよ、ちょいと面貸せや」……誰だい? 君たちは」
名字名前に気をとられていると、急に肩を誰かに掴まれた。
ムッとして手を振り払うように振り返ると、そこには他校の制服を纏った5、6人の群れ。
ワォ、わざわざ僕に咬み殺されに来るなんて、どこの命知らずだい?
「俺の仲間がテメェに大怪我させられてなァ。そのお礼参りだよ」
その制服をよく見ると、数日前に咬み殺した群れの一つのものに似ていた。
「……あぁ、あの時の群れの一つのリーダーか」
「そういう訳だから並中風紀委員長さんよォ、ちょっと黙って俺たちに殴られろや」
そうリーダー格が言うと、周りの男たちは次々に金属バットを取り出した。
……そんな武器で、小動物がこの僕に敵うわk『ふざけないで下さいっ!』……?
「あ? 何だぁ、この女」
『雲雀さんに触っていいのは私だけなんです!』
…………いや待って、それは違う。
『雲雀さんは私の最愛の人なんです! そんな雲雀さんの肩を私に断りも無く触って、その上金属バットを向けるなんて、我慢の限界です!』
「はぁ? 何言ってんだテメ……がっ!!」
「!!? オイ、どうし……ぅごっ!!」
言うが早いか、近くにいた小動物二匹の顎と鳩尾に蹴りを入れる名前。
他の小動物が呆気に取られている間に、名前の蹴りは全員の意識を奪っていた。
…そう、彼女はどこで習ったのか知らないけど、体術が無駄に強い。
殺し屋も相手にできるんじゃないかって位、べらぼうに強い。
「ワォ、相変わらずいい蹴りをするね君」
『えへへ、雲雀さんが褒めてくれたっ! 雲雀さんに褒めてもらうためだけに、いっぱいいっぱい特訓したんです、私!』
僕に褒めてもらうために、ね…。
「……ねぇ名字名前」
『何ですか雲雀さん?』
「君、風紀委員に入ってみない?」
秩序からの誘い
(えーっ!!? 雲雀さん、本当ですか?!)
(使えないのを何匹か咬み殺して、人手が足りてないんだよ)
(是非是非! 私を風紀委員会に入れて下さいっ!!)
(今から応接室に行って、草壁がいると思うから)
(分かりましたっ!)
((よし、これで付き纏われる回数も減るだろう))
end.