CRASH!

□ステージ1
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花side

「昨日テレビ見た!?」

「P-sの新曲でしょ。超かっこいいよねー」

「花ちゃんも見た!?」

「や。私アイドルとか興味ないからっ」


いつも通りの解答を返すと皆から残念がられた。


白星花
ピカピカの高校1年生。

私には秘密があります。

それは・・・。



〜事務所〜


「我がタレント事務所も今年で10周年!
ここはドカンと一発大型新人で勝負するわよ!!」

「社長 大型新人と言ってもどのような路線をお考えですか?」

「え わかんない」

「・・・・・・」

「だ――――ってそこはいつも・・・」



ガチャ。



「ただいまー」

「花!」

「ママ ろうかまで声、丸聞こえ」



私の秘密それは・・・
家が芸能事務所だということ。

アイドルに興味がないフリをしているのは会社やタレントさんの情報を守るため。

アイドルは私たちにとってとても大事な存在なのです。



「ママはりきってるなー」



ごぞごぞ音を立てながら何かを探すママをみてぽつりと言う。



「この10年の集大成ですからね」

「どんな新人さんになるか楽しみです!」



上からチーフマネージャーの青柳さんと新人マネージャーの尾山が言った。

 
        ・・・
「花さっそくだけどいつものお願い」

「オッケー」



ずらりとだされた4枚の男女の写真。

真剣に一人一人丁寧に見ていく。

ちょっと鼻がむずむずしたけれど・・・。


反応なし



「全員不合格ね」

「え?え!?何でですか!?
とりあえず1人くらい声かけてみて・・・」

「何言ってるの尾山!!妥協は禁物なのよ!!」

「え〜〜〜?」

「オーディションでも開いてみますか?」

「そうねぇ〜」



ガチャ。

どうしようと議論を繰り広げている時扉が開いた。



「おはようございまーす」

「まりか!」



彼女はうちの事務所所属のタレント桃原まりかだ。


「まりかさん!今日はこれから雑誌の取材が2つ・・・
ちなみに明日は中央パークのイベントでトークと歌です」


二人の打ち合わせを聞いていてふとひらめいた。



「ママ 明日私もまりかに同行していい?」

「いいけど どうかしたの?」

「中央パークって言ったら若者のたまり場だよ
私が直接新人スカウトに行くのもアリじゃない?」



提案は「ナイスアイデア!!」と喜ぶママによってOKが出された。

その後ろではこんな会話が・・・。


チーフ・・・
何でさっきから娘の花さんに権限があるんですか?

「そうかおまえはまだ知らないよな
お嬢さんの才能を」

「才能・・・?」

「桃原まりかはもちろん・・・
うちの事務所の歴代の売れっ子を見出してきたのは
すべてお嬢さんだ」

「お嬢さんにかかれば売れるか売れないかは一目瞭然
人呼んで・・・『鮮血の花』」


鮮血という言葉に驚く尾山。


「そ・・・そんな・・・一体どうやって判断を・・・!?煤v

「お嬢さん コレとコレ見てもらえますか」


見せられた写真はなかなか可愛い顔のポニーテールの女の子とまりかのデビュー当時の写真。

まりかの写真を見た途端・・・鼻がむずむずしてきて・・・。



だぱ――――――



鼻血が出た。


(我ながらお見事・・・)


「あいかわらず第六感絶好調ね!
明日も頼んだわよ花!」

「任せてママ!」


今はまだ手伝いくらいしかできないけど
この鼻と心の中のアイドル魂で・・・

いつか私もタレントのプロデュースをするんだ。
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