Guimauve
□約束・・・
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優姫side
『枢センパイ私もう大丈夫ですから、座ってたら楽になったし』
お姉ちゃんと零を置いて医務室に運ばれた私は今枢センパイに椅子に座らされていた。
「だめだ」
一言そう言って黙らせる。
私の顎を持ち上げる、その動作にドキンと胸が高鳴る。
「見せて」
『・・・・・・っ』
恥ずかしくて目を瞑って、されるがままにした。
「・・・血はほとんど止まってるけど・・・・・・深い思いきり咬まれたね・・・」
「優姫・・・」枢センパイに呼ばれ薄く目を開ける。
「傷むの・・・?」
『・・・へ・・・?あれ・・・?』
ようやく自分が涙を流していることを認識する。
「・・・吸血鬼が恐くなった?」
枢センパイの質問に首を振って答える。
何だろう・・・頭の中ぐるぐるしてるけど・・・一つ確かなことは・・・
零を――――
・・・傷つけた・・・
コンコン・・・―――
控えめなノック音とともに理事長が現れた。
「枢くんちょっと教室に行ってくれないかな?血の匂いでナイト・クラスがざわついてきているん
だよ・・・」
「・・・はい」
枢センパイが出て行き、代わりに理事長が入って私の手当てをしてくれた。