BRAVE10
□第2戦
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結局、才蔵・久遠は伊佐那海とともに佐助に案内されながら上田城へと来ていた
「ここが難攻不落の上田城ね…」
『たいそうな名前だよね』
「のわりに…割と…地味」
『言えてる』
久遠は先程よりはだいぶ機嫌もよくなったのか才蔵の言葉にも返事をするようになっていた
そして才蔵、伊佐那海、久遠の三人は城の一室に通されていた
「つーか、お城なんか初めてーとか騒ぐかと思えば…」
才蔵は部屋の壁に背を預け口を開いた
しかし伊佐那海のあまりにも思いつめた顔を見て黙った
『空気読みなよ、やっぱりアンタってバカだよね』
「あぁ?」
二人が言い合っているとバタバタと足音をたて何かを言いながら部屋に誰かが近づいてきた
久遠は部屋の隅っこに胡座をかいて座った
するとすごい勢いで襖が開いた
「面をあげよ!って平伏してねぇじゃねぇか」
髪を雑に一つに結いあげられ着流しの上に羽織りを羽織っている男…真田幸村は上座にどっしりと座る
一言でいえば真田幸村の第一印象はガラワルイで片付く
「お前が出雲の巫女か?」
「は、はい…」
伊佐那海は緊張しながら答える
幸村はそれを聞くと今度は才蔵をそして久遠を不敵な笑みを浮かべて見る
「では、あっちのが…」
「あぁ…ようやく会えました!どうか助けてください、お願いします!」
伊佐那海は懇願するような瞳で幸村を見つめる
「ふむ、まずは何があったか話してみよ」
伊佐那海は少しの間をおいてゆっくりと話し始めた
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