BRAVE10
□第1戦
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木の枝に人のような者がおり、それはモソモソと動いた
頭と首元は黒い布で巻かれていて顔はほとんど見えない
さらに服の上からマントを羽織り服もあまりよくわからない
そんな久遠はちょっとした騒ぎ声で目を醒ました
『……うるさい…、一人の逃げる足音、んで追いかける数人の足音…か』
眠りを中断されるのが大嫌いな久遠は機嫌を悪くしながら木から飛び降りる
音もなく飛び降りればある一点を見つめる
すると、追われている一人の水色の髪を簪でとめている巫女とそれを追う忍達…が草影のなかから現れる
と同時に
巫女は久遠へと倒れ込むように抱き着いた
久遠は胸へと飛び込んできた巫女と忍び達をどうでもよさそうに見る
「……お前には関係ないが、この娘を見たのが不運!……消えてもらう」
『あんたらうざい
下っ端がいい気になって意気がるのはやめた方がいいよ、格好悪いからさ』
久遠は追っての忍びを鼻で笑いバカにすると忍び達は逆上したようでクナイを放り投げてくる
それを易々と避けると巫女をいきなり肩に担いだ
「きゃっあ!?」
『うるさい、黙って』
耳元で大声を出されて不機嫌そうに巫女を黙らせると走りだした
「待てっ!」
忍び達は焦ったように久遠を追いかける
『誰が待つかよ!
死ぬ気の鬼ごっこ楽しもうよ!』
久遠は先程不機嫌だったのが嘘だったかのように楽しそうに叫ぶ
久遠は巫女を担いだまま追っ手の忍び達をクナイで的確に留めをさしていく
『弱っ、さすが下っ端だわ』
ふと前を見ると前方にこちらを見ていた黒髪の男がいた
下っ端を殺すのに飽きてきた久遠は男の後ろに隠れて残りの下っ端を殺してもらうというナイスアイデアを思い付いたのだ
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