Memory

□12月5日・Happy birthday☆クローム髑髏
2ページ/4ページ

『骸君、いつもの子来てるよ。』

骸)「クフフ・・・ありがとうございます。」



ここは黒曜中学校の3年の教室棟。

先ほどまであたしと話ていたのは、あたしと同じクラスで隣の席の六道骸君。少し前に転校してきた転校生。

それで、毎日のように昼休みになるとここの教室に来る、骸と話してるあの女の子。3年生では見ないから、2年生なんだろう。

あの子、誰なんだろう・・・?

骸の追っかけ、っていうわけではない気がする。大人しそうだし。でも問題はそこじゃなくて・・・


じーーーー


・・骸が話してる時でも、あの子から視線を感じるということ。

あたし、何かしたかなぁ?

毎日やってくる彼女から、毎日のように視線を感じるがそれだけ。別に話しかけてくるわけでもないし、露骨に嫌そうな顔をするわけでもない。

ただ、見てるだけ。

最初は気にならなかったけど、毎日見つめられればさすがに気づく。

うーん、何だろう?

話が終わったらしく、自分の席(=あたしの隣)に戻ってきた骸君に聞いてみるとしよう。



『ねぇ、骸君?』

骸)「なんですか?」

『いつもここに来る、さっきまで話してたあの女の子・・・』

骸)「あぁ、クロームですか?」

『クローム・・?あの子、クロームっていうの?』



珍しい名前・・・そういえば、髪型も珍しかったような・・・骸君と同じ髪型。



骸)「はい。あの子はクローム髑髏といいます。僕の大切な・・・“仲間”ですよ。」

『クロームちゃんか・・・。』



それにしても“仲間”って何?

“友達”っていうことだよね?



骸)「それで、クロームがどうかしましたか?」

『あ、そのクロームちゃんなんだけど、骸君と話してるときでもいつもあたしのことを見てるんだよねー・・・あたし、何か気に障るようなことしたかな?』

骸)「クフフ・・・そうでしたか。いや、優璃さんは何もしていませんよ。」

『え?じゃあ、何で?』

骸)「それは本人から聞くべきでしょうね・・・僕が言うと、クロームが怒りますから。」

『そう・・・じゃあ、今度聞いてみるよ。』

骸)「クフフ・・・ぜひそうしてください。」



骸君の言葉に返事をしつつ、次の授業の準備をする。

彼女・・クロームちゃんの視線は気にはなるが、その日は特に気にせずに1日を終えた。


次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ