Memory
□12月5日・Happy birthday☆クローム髑髏
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『骸君、いつもの子来てるよ。』
骸)「クフフ・・・ありがとうございます。」
ここは黒曜中学校の3年の教室棟。
先ほどまであたしと話ていたのは、あたしと同じクラスで隣の席の六道骸君。少し前に転校してきた転校生。
それで、毎日のように昼休みになるとここの教室に来る、骸と話してるあの女の子。3年生では見ないから、2年生なんだろう。
あの子、誰なんだろう・・・?
骸の追っかけ、っていうわけではない気がする。大人しそうだし。でも問題はそこじゃなくて・・・
じーーーー
・・骸が話してる時でも、あの子から視線を感じるということ。
あたし、何かしたかなぁ?
毎日やってくる彼女から、毎日のように視線を感じるがそれだけ。別に話しかけてくるわけでもないし、露骨に嫌そうな顔をするわけでもない。
ただ、見てるだけ。
最初は気にならなかったけど、毎日見つめられればさすがに気づく。
うーん、何だろう?
話が終わったらしく、自分の席(=あたしの隣)に戻ってきた骸君に聞いてみるとしよう。
『ねぇ、骸君?』
骸)「なんですか?」
『いつもここに来る、さっきまで話してたあの女の子・・・』
骸)「あぁ、クロームですか?」
『クローム・・?あの子、クロームっていうの?』
珍しい名前・・・そういえば、髪型も珍しかったような・・・骸君と同じ髪型。
骸)「はい。あの子はクローム髑髏といいます。僕の大切な・・・“仲間”ですよ。」
『クロームちゃんか・・・。』
それにしても“仲間”って何?
“友達”っていうことだよね?
骸)「それで、クロームがどうかしましたか?」
『あ、そのクロームちゃんなんだけど、骸君と話してるときでもいつもあたしのことを見てるんだよねー・・・あたし、何か気に障るようなことしたかな?』
骸)「クフフ・・・そうでしたか。いや、優璃さんは何もしていませんよ。」
『え?じゃあ、何で?』
骸)「それは本人から聞くべきでしょうね・・・僕が言うと、クロームが怒りますから。」
『そう・・・じゃあ、今度聞いてみるよ。』
骸)「クフフ・・・ぜひそうしてください。」
骸君の言葉に返事をしつつ、次の授業の準備をする。
彼女・・クロームちゃんの視線は気にはなるが、その日は特に気にせずに1日を終えた。
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