Short Story
□バスケ部のお姫様。〜U
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ピーーッ
放課後の体育館に笛の音が響く。
ここでは放課後、男子バスケ部が部活をしている。
帝光中に入学してから早2ヶ月。
入学式の日に出会った先輩たちは「キセキの世代」と呼ばれる、バスケ部に所属するバスケがものすごくうまい人たちと知った。
(新しくできた友達が興奮気味に教えてくれた。)
入学式の日から、変わらず仲良くしてくれてお昼休みはわざわざ迎えに来てくれて、一緒に屋上でお弁当を食べる。
そんな先輩たちに遠まわしに熱心に誘われ、男子バスケ部のマネージャーとなった。
マネージャーはもちろんあたしだけではないのだが、やはり緊張するもの。
そんな中でいつもあたしに優しくしてくれるのは同じマネージャーの桃井さつき先輩。
さつき先輩は青峰先輩・・・じゃなかった、大輝先輩の幼馴染らしい。そして、黒子先輩・・・じゃなかった、テツヤ先輩のことが好きらしい。
ちなみに、呼び名は仲良くなるにつれて涼太先輩が「別にタメでもいいっスよー?」と言ったのだが、さすがにそれはできないということで
「じゃあ、全員名前呼びにしたらどうだ?」
という赤司、じゃなくて、征十郎先輩の言葉によって、今まで苗字だったテツヤ先輩、真太郎先輩、大輝先輩、征十郎先輩は名前呼びになった。
・・・っと、こんなことを話してる場合じゃなかったんだ。
笛が鳴った、ということは練習を一旦やめて20分の休憩に入る、ということだ。
ほら、周りを見ればみんな休憩モードに入ってるし。
慌てて、横に準備してあったタオルとドリンクを持って「キセキの世代」の皆さんの元へと急ぐ。
なぜか知らないが、あたしは「キセキの世代」の皆様専用らしい。・・と征十郎先輩に言われた。
『・・あ、真太郎先輩!お疲れ様です、これ、タオルとドリンクです。』
緑間)「あぁ、いつもすまないのだよ。」
『あ、テツヤ先輩!タオルとドリンク、こっちです!』
黒子)「いつもありがとうございます、美玲さん。」
テツヤ先輩と真太郎先輩は、練習が終わって疲れてるはずなのに、いつも自分でタオルやドリンクを取りに来る。
あたしが行くから大丈夫、とは言っているんだけど・・・。
『あの、お気持ちは嬉しいんですけどわざわざ自分で取りに来なくても、あたしが届けますよ?』
黒子)「いいんですよ、さすがに女の子に6人分のタオルとドリンクは持たせられませんし。」
緑間)「俺たちのことは気にするな。・・それより、ほかの奴らに持っていったほうがいいんじゃないのか?」
『え?・・・わわ、忘れてたーー!い、行ってきます!!』
緑間)「相変わらずなのだよ・・・。」
ほかの方に届けるのすっかり忘れてたーーー!!
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