Short Story

□バスケ部のお姫様。〜U
1ページ/5ページ

ピーーッ


放課後の体育館に笛の音が響く。

ここでは放課後、男子バスケ部が部活をしている。

帝光中に入学してから早2ヶ月。

入学式の日に出会った先輩たちは「キセキの世代」と呼ばれる、バスケ部に所属するバスケがものすごくうまい人たちと知った。
(新しくできた友達が興奮気味に教えてくれた。)

入学式の日から、変わらず仲良くしてくれてお昼休みはわざわざ迎えに来てくれて、一緒に屋上でお弁当を食べる。

そんな先輩たちに遠まわしに熱心に誘われ、男子バスケ部のマネージャーとなった。

マネージャーはもちろんあたしだけではないのだが、やはり緊張するもの。

そんな中でいつもあたしに優しくしてくれるのは同じマネージャーの桃井さつき先輩。

さつき先輩は青峰先輩・・・じゃなかった、大輝先輩の幼馴染らしい。そして、黒子先輩・・・じゃなかった、テツヤ先輩のことが好きらしい。

ちなみに、呼び名は仲良くなるにつれて涼太先輩が「別にタメでもいいっスよー?」と言ったのだが、さすがにそれはできないということで

「じゃあ、全員名前呼びにしたらどうだ?」

という赤司、じゃなくて、征十郎先輩の言葉によって、今まで苗字だったテツヤ先輩、真太郎先輩、大輝先輩、征十郎先輩は名前呼びになった。


・・・っと、こんなことを話してる場合じゃなかったんだ。

笛が鳴った、ということは練習を一旦やめて20分の休憩に入る、ということだ。

ほら、周りを見ればみんな休憩モードに入ってるし。

慌てて、横に準備してあったタオルとドリンクを持って「キセキの世代」の皆さんの元へと急ぐ。

なぜか知らないが、あたしは「キセキの世代」の皆様専用らしい。・・と征十郎先輩に言われた。



『・・あ、真太郎先輩!お疲れ様です、これ、タオルとドリンクです。』

緑間)「あぁ、いつもすまないのだよ。」

『あ、テツヤ先輩!タオルとドリンク、こっちです!』

黒子)「いつもありがとうございます、美玲さん。」



テツヤ先輩と真太郎先輩は、練習が終わって疲れてるはずなのに、いつも自分でタオルやドリンクを取りに来る。

あたしが行くから大丈夫、とは言っているんだけど・・・。



『あの、お気持ちは嬉しいんですけどわざわざ自分で取りに来なくても、あたしが届けますよ?』

黒子)「いいんですよ、さすがに女の子に6人分のタオルとドリンクは持たせられませんし。」

緑間)「俺たちのことは気にするな。・・それより、ほかの奴らに持っていったほうがいいんじゃないのか?」

『え?・・・わわ、忘れてたーー!い、行ってきます!!』

緑間)「相変わらずなのだよ・・・。」



ほかの方に届けるのすっかり忘れてたーーー!!


次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ