Short Story

□バスケ部のお姫様。〜T
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帝光中学―――――・・・

3年連続で男子バスケ部が全国制覇を成し遂げた、バスケの強豪校である。

そんなバスケ部だが、前までは特に名の知れていない学校だった。

今の3年生が1年生のときに・・・バスケがものすごく強い奴らが入ってきたのだ。

人々は彼らを畏怖の念を込めて『キセキの世代』と呼ぶ。

2年生からバスケを始め見たものを『模倣(コピー)』するという能力で、1軍を勝ち取った黄瀬涼太【きせ りょうた】

コート内ならどこからでもシュートを打ち、その成功率は100%でディフェンスも強い、緑間慎太郎【みどりま しんたろう】

ストリートバスケで鍛えたバスケスタイルは、もはや誰にも越えられない――――。遅刻常習犯でもある青峰大輝【あおみね だいき】

208cmという長身で相手を圧倒し、相手を0点に抑える優れたディフェンス力を持つ、紫原敦【むらさきばら あつし】

そして、

彼らをまとめるキャプテン、赤司征十郎【あかし せいじゅうろう】

この“5人”が一般的に「キセキの世代」と呼ばれている。







しかし、











「キセキの世代」にはほかのメンバーが一目置く、『幻の6人目(シックスマン)』がいるのだ。

6人目の名は、黒子テツヤ【くろこ てつや】

彼は別段背が高いわけでもなく、筋肉隆々なわけでもない。

いたって平凡な選手だ。むしろ、ほかの「キセキの世代」と比べると劣っている。

それならば何だ?

足が速い?シュートが入る?ディフェンス力が高い?

―――――答えは全部、否。

それならばなぜ彼はほかのメンバーから一目置かれているのか?

それは、彼にはほかの「キセキの世代」には真似できないある“特殊能力”があるからだ。

その能力とは・・・『影が薄い』こと。

彼は自分の影が薄いこと・・・存在感が薄いことを逆手に、その存在感の薄さと視線誘導を使った“ミスディレクション”という一種の超能力を使う。

“ミスディレクション”を使って、味方に“見えないパス”をする・・・厳密に言うといろいろあるのだが、それはまたいつか。







これは、バスケ部の存在を知らずに帝光中に入学した「キセキの世代」より1学年下の少女と、

「キセキの世代」の“6人”とのお話である。



『帝光中学ってどんなところかなー?学校生活が楽しみっ!』


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