銀魂 連載


□銀色デート
1ページ/5ページ

「え、俺と?」

「はい。嫌なら別にいいですけど」

その時は唐突にやって来た。

いつもと変わらない朝、いつもと変わらない風景。

違ったのは、珍しく客がやってきて、その客が、俺の好きな人だったということだ。

呆然とする俺を見て、彼女は手に持った二枚の紙切れを懐にしまった。

「じゃあ、他をあたります」

「だぁぁぁあ!ちょっと待て!行く!マジで超行きたいから!お願いだから待って和葉ちゃあん!」

俺は彼女の腕を思いきり掴んで、必死の形相で引き止めた。

こんなチャンス、逃してたまるものか。

「じゃあ、行きましょう」

ふわりと笑いかけられて、これはついに俺にも春がやってきたのでは?と浮き足立つ。

辺りはすっかり秋だけれど、俺はまだ枯れてない!!

一人で階段を降りていく彼女は、こちらを振り返り、「早く、行きますよ」と言い俺に向かって手招きをする。

その姿が愛しすぎて、俺の顔は緩みまくりだ。

「俺、今日死ぬかも」

こんな幸運あっていいのか。

逆に不気味だが、そこな素直になるべきだろう。

こうして、俺と和葉のデート(俺はそう思っている)が始まったのだ。


.
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ