銀魂 連載


□クール・サマー
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その日の夜は、いつもより冷たい空気に包まれていた。

タスケテ……タスケテ……

「う…うぅ…」

低く震えたその声は、聞き覚えのない女のものだった。

不気味で、背筋が凍りつくようなその声が、暗闇の中でそっと響いている。

タスケテクレナイト……コロス……

その声は次第に大きくなり、何者かが近づいてくるような気配にまたゾッとする。

カリ、カリ……と壁を引っかくようなその音は、非常に不快だ。

コロス…コロシテシマウゾォ!

「っ!!」

勢いよく布団を押しのけ、目を開けた。

真っ暗な部屋はシンとしていて、時計が時を刻む音だけが、妙に大きく聞こえた。

「は…はぁ…夢か…」

頬を伝う汗を拭いながら、乱れた呼吸を整えた。

時計の針は午前2時50分を差している。

まだ日も昇らない微妙な時間に、悪夢にうなされて起きるだなんて…

すっかり目が冴えてしまった。

真選組へ戻ってきて安心したのも束の間、まさかこんな悪夢に安眠妨害されようとは。

この後はどうにも眠る気にはならなくて、布団の上で横になりながら、ただただぼうっと時が流れるのを待った。



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