銀魂 連載
□紅姫
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「次から次へと、面倒ごとばっか起きやがって!」
土方はパトカーの運転をしながら苛立たしげに言った。
「土方さん!運転に集中して!」
「うるせぇ!おまえがいると気が散るんだよ!」
土方は後部座席に座る和葉に叫んだ。
かぶき町で攘夷浪士の爆弾テロ。
現場に急行すると、そこにはすでに爆発が起きたコンビニエンスストアがあった。
「怪我人は?」
「いません!」
先に現場にいた隊士に案内され、店内に入る。
「こりゃひでーや」
いろいろな物が無茶苦茶に散乱した店内を見て、沖田がつぶやいた。
「奴らはどこ行った」
「それが、さっき」
「まさか逃がしたんじゃねえだろうな」
土方は嫌な予感を感じて隊士の胸ぐらを掴んだ。
瞳孔が開きかかった目でギロリと睨まれ、隊士は顔を引きつらせる。
和葉が間に割って入った。
「まぁまぁ、落ち着いて」
「落ち着いてられるか!こんだけ被害が出て犯人捕まえられなかったなんて公表されてみろ!俺たちの面子がだだ崩れだ!」
「だから、落ち着いて犯人を捕まえましょうよ」
隊士をなんとか土方から引き剥がすと、和葉は一人店の外へ出て行こうとした。
「おい、どこにいく」
土方に言われて和葉は足を止めると、肩越しに振り返って言った。
「もちろん、犯人を捕まえに」
「待て!勝手に動くんじゃねえ!おまえはまだ研修隊員なんだよ!」
しかし土方の言うことを聞かず、和葉は一人飛び出していった。
「あらら。いっちゃいましたよ」
「あいつ…勝手なマネを…おい!俺たちも探すぞ!絶対逃がすな!」
土方のかけ声に、隊士たちもそれぞれ飛び出していった。