カカシ 短編
□キミガスキU
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「ルミってさ…綺麗な髪してるよね」
ふわりと風になびく彼女の淡い栗色の髪に見とれながら、オレはそうつぶやいた。
いつだって、この髪に触れたくなる。
当の彼女は、驚いた顔をしたが、ややあってすぐに微笑んだ。
「髪を褒められるなんて初めて」
「そう?オレはずっと思ってたけどな」
「ありがとうございます。なんか、嬉しい」
彼女はそう言って頬を染めた。
本当に嬉しそうな表情で、なびく髪に指を通した。
「でも、カカシさんの髪のほうが断然綺麗」
言いながら彼女は、なぜか羨ましそうにオレの髪を見つめた。
こんな銀髪のどこがいいのか、オレには分からないが、ルミと同じで、髪を褒められるというのは、なんだかいい気分だった。
「ねぇ、ルミ」
オレはそっと彼女に近づいて、小さく尋ねた。
「触ってもいい?」
いかにも柔らかそうなその髪に触れたくて触れたくてたまらない。
彼女は返事をする代わりに、ニコリと微笑む。
艶めく彼女の長い髪に、オレの指がそっと触れた。
ずっと、こうしていたいと思った。
それほど彼女の髪は、魅力的だったから――
キミガスキ
end
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