カカシ 短編


□白い肌と青い海
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『夏』といえば、

照りつける太陽、青い空に青い海、白い砂浜に白い肌…

「サクラちゃんの水着姿、楽しみだな〜」

ナルトは、ばっちり水着を着て、呟いた。




白い肌と青い海




海水浴に行こう、としつこくサクラを誘ったら、やっと承諾してくれた。

二人きり、とはいかなかったが、カカシ班のメンバーで行くことになった。

それと、サクラが誘った成り行きで、ルミも。

だがそれでも良かった。

サクラと一緒に海へ行く。

これがナルトの今年の夏の目標だったからだ。

更衣室から出ると、じりじりと照りつける太陽が眩しかった。

絶好の海水浴日和だ。

海風が潮の匂いを運んできて、いかにも夏が来た、と感じる。

「サイー!行こうぜー!」

更衣室に向かって叫んだ。

ややあって、サイが更衣室から現れる。

ナルトが、辺りを見渡して言った。

「あれ、カカシ先生は?」

「あっちだよ」

サイが指差した方向に、カカシはいた。

水着は着ていない。

いつもと同じ服装だ。

かろうじてベストは脱いでいるが、特に変わりはないので、もちろん、素顔は見えない。

(くそー、やっぱなぁ…)

ナルトは悔しげに顔をひそめた。

誘いには乗ってくれたものの、砂浜に立てられたパラソルの下で、ただ愛読書をしているだけだ。

海に入ろうという気はないようだ。

「ナルトー!」

「!」

呼ばれて振り返ると、そこには水着に着替えたサクラがいた。

白いビキニが、よく似合っている。

(サクラちゃん、可愛いってばよ…)

ナルトが頬を染める傍ら、サクラは女性更衣室に駆け込んで行った。

そして、誰かを引っ張り出そうとしている。

「ルミさん!何してるんですか?早く早く!」

そう言いながら、サクラはルミの手を懸命に引いた。

「ルミのねーちゃん、何してるんだってばよ?」

「水着は恥ずかしいとか言って、出てこないのよ」

「なんで?」

「カカシ先生に見られるのだけは嫌なんだって!でも、そういうわけにはいかないじゃない!」

せっかくのチャンスを!とサクラは異様に張り切っている。

その時ナルトは、サクラがなぜカカシ班+ルミで海水浴に行きたい、と言ったのかが分かった。

もともとこのメンバーは普段から交流も多いし、仲もいい。

特に、先輩後輩関係のカカシとルミは。

サクラは、この二人をくっつけよう、という作戦を企んでいたのだった。

ナルトは少し利用された気分だったが、サクラには敵わないと諦めた。




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