カカシ 短編


□WHITE DAY
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この話はRED DAYの続編です。












2月14日。

そういえばあの日、オレはさんざんな目に遭ったんだった。





今日は3月14日。

カカシはカレンダーに元々記されている“HWITE DAY”の文字を見て、ちょうど一月前のことを思い出していた。

あの日、バレンタインデーと騒がれていたあの日。

カカシはルミからもらったバレンタインチョコレートのせいで、二・三日程舌の感覚がおかしくなった。

どうしてチョコレートを食べたのにそんなことが起きたかと言うと、よく言えば、ルミのささいな気遣いが原因であろう。

ルミから渡されたものは、甘いものが苦手なカカシのためだけに作られた、大量のスパイスを練りこんだ特性チョコレートだったのである。

元々辛党の彼女に、“辛い”の限度なんてものはない。

故に、味わったことのないその激辛に襲われたカカシの舌は、しばらくの間麻痺してしまったのだ。

ピリピリ、ジンジンとした痛みが完全に消えるまで、思ったよりも時間がかかったのだった。

「あんな仕打ちを受けて、なんでホワイトデーに返さなきゃいけないんだ…」

アスマが紅にお返しをするというので、セツナにも返すべきかと尋ねたら、「当たり前だ」とあっさり言われてしまった。

(まあ、ルミも悪気があったわけじゃないし…)

カカシは部屋を出て、商店街をぶらつきながらホワイトデーのお返しを探し求めた。

今までバレンタインチョコレートは嫌というほど大量にもらったが、お返しをしたことなど一度もない。

故に、どんなものをあげたらいいのか迷っているところだった。

「どうしよっかなー…」

「カカシさん?」

「ん?」

呆然と歩いていると、後ろから声をかけられた。

「何してるんですか、こんなところで」

「ああ、ちょっとね。おまえも今日は休みか?」

振り向いた先にいるルミに、カカシはそう尋ねた。

彼女はニコリと愛想のいい笑みを浮かべて答える。

「はい。今から家に帰るところです」

まさかお返しをする相手にこんなタイミングで会うとは…

未だにお返しを用意していないカカシは、どうしようかと考え込んだ。

「そうか…うん…」

「?カカシさん?どうかしました?」

ぐいっとカカシの顔を覗き込む。

心配そうな瞳を向けられて、カカシは我に返った。

「ああ…そういえば、おまえにはお返ししないとな」

ふと、思いついた。

「お返し?なんの?」

心当たりのない様子で首を傾げるルミを見下ろしながら、カカシはにやりと不敵な笑みを浮かべた。

「バレンタインデーのお返し。ちょっと、家来てくれない?」

「え?」


(ちょっと、意地悪してみようかな)


カカシは、戸惑うルミを連れて家へと帰った。
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