カカシ 短編
□真夏のアイスクリーム
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「はぁ…あっつ…」
「ちょっと!ルミさん!」
家に帰って来るなり堂々と着替えをする姿が目に入った。
一瞬見えた下着姿に目を反らし、着替え終わりを見計らってその人に言った。
「急に着替えないでくださいよ!」
「だって暑いんだもん…」
長いスカートを太ももが見えるまでにまくり上げて、団扇をパタパタと扇がせた。
「オレ一応男なんですけど…」
「いいじゃない、弟なんだから」
「それはただの設定でしょ!」
オレはそんな無防備なルミさんにツッコンだ。
オレが本気で焦ってるとも知らずに、「サービスだよサービス〜」とワケの分からないことを言ってからかった。
今は任務中。
ルミ先輩と二人で姉弟を演じながら、潜入捜査を始めて二日目の夜だった。
日中はオレがターゲットの働いていた店でバイトをしながら、ルミさんは街を練り歩いて情報収集をしている。
「今日の収穫は?」
「まぁまぁですね。奴の動きが少しずつ分かってきました」
「そう…でもまだまだね…そう簡単には教えてくれないか」
ルミさんは言いながら報告書に記した。
こうして真剣な顔してると、クールで美人で魅力的なんだけど。
この人ときたら…
「あぁ!もう暑くてたまんない!カカシくん、アイス買ってきて」
「なんでこうマイペースなんだ…」
「何か言った?」
心の声が出てしまったがまぁいいや。
なんか、不機嫌そうな顔でじっと見てくるけど。
「ほら!言われたらさっさと行く!」
「自分で行ってくださいよ…なんでそうすぐオレをパシるんですか」
「先輩だから」
「先輩って…オレより年上なだけで実質は同期ですよ?」
「もう!だったら年上のお姉さんの言うこと聞きなさい」
ああいえばこういう…
このまま言い合っていても無駄なことが分かったオレは、仕方なくアイスクリームを買いに行った。