カカシ 短編
□一日恋人
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「はい、カカシさん、あーん…」
ルミはひきつった笑みを浮かべながら、カカシにスプーンを突きつけた。
「いや…オレ甘いのはちょっと…」
「何言ってるんですか。もう少し協力してくださいよ。先輩でしょ?」
苦笑いで躊躇しているカカシの口元に、ルミは無理やりあんみつの載ったスプーンを押し付けた。
「じゃあ後輩に利用されてるオレは何なわけ?」
「だから、“優しい”先輩です」
ルミはそうニコリと微笑む。
カカシとルミは先輩後輩の関係。
任務を共にすることが多く、親しい仲である。
しかしいくら仲が良いとはいえ、理由もなしにカカシに対して強引になっているわけではなかった。