銀魂 短編


□シャンプー
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「あ〜、土方さん石鹸踏んで滑って頭打って死んでくんねェかなァ〜」

「湯に沈められてェのかてめェは」

まったり風呂に入っていたというのに隣から聞こえた大きな独り言に、土方は青筋を立て低い声音でそう言った。

ギロリと睨んだ先には亜麻色の髪をした少年、沖田が平然と湯に浸かっている。

タイミングが悪い。土方はそう思った。

沖田と二人きりで風呂に入るなんて、危険な予感しかしない。

(仕方ねェ。さっさと身体洗って出るか)

土方は無言で湯槽から立ち上がると、近くのシャワーで身体を流し始める。

それをじいっと見ていた沖田は、ややあって土方の元へと近づいた。

鏡越しに沖田の存在を確認した土方は、髪を洗いながら不機嫌な様子で振り返る。

「なんだよ…俺の後ろに立つな」

「何ビビってんですかィ。せっかく俺が土方さんの背中流してあげようと思ったのに」

「絶対嫌だ」

「そんな遠慮しないでくだせェよ。俺の厚意を無駄にすんですかィ?薄情なお人でィ」

「お前にだけは薄情だなんて言われたくねェ。だいたいお前の言うことには大概裏があんだよ」

シャンプーをシャワーで流しながら、土方は言う。

ムスッとした沖田の様子に、気づくことはなく。



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