銀魂 短編


□山崎退監察日記
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※描写はないですが、ちょっと裏要素があるのでお気をつけください。
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『山崎退監察日記』


○月×日(月)

長らく密偵していた現場からようやく屯所に戻ってきた。
副長に報告書を提出しに行くと、補佐官の咲夜さんと共に黙々と仕事をしていた。
相変わらず美人な咲夜さんはただ机に向かっているだけで画になる。
久々に見た彼女の姿は俺の目の保養になった。
こんな素敵な人が一日中補佐をしてくれるなんて、つくづく副長が羨ましいと思う。


○月△日(火)

副長室に行くと、いつものように黙々と仕事にふける副長の膝に頭を載せて眠る咲夜さんの姿があった。
え、そういう感じなの?
そういう関係になろうとしちゃってるの?
特に焦る様子もなく平然と書類を受けとる副長を見て、そう思った。
最近、副長と咲夜さんがデキているという噂がたっているらしい。
付き合っているかどうかは知らないが、二人が両想いなのは薄々感じている。
なんだか虚しい。


○月※日(水)

副長室の前を通りかかったら、まるでキスをしているようなリップ音と吐息が漏れていた。

「あの…副長、今、いいですか」
「山崎か…悪い、後にしてくれ…」
「ちょ…土方さん…今は…んっ…」

何か邪魔をしてはいけないと思い、俺はその場から、逃げた。


○月☆日(木)

「土方さん…まだ仕事ちゅ…んっ…あぁっ!」
「てめぇが誘ったんだろうが!あんまでけぇ声出すなよ」
「そんなっ!あっ!ダメっ…あっ」

…という声が副長室から聞こえた。
俺は、ダッシュで逃げた。

同日、夜。

「土方さんっ…も…ダメぇ!イっちゃ…うっ…あぁっ」
「イけよ…咲夜っ」
「うっ…んあっ!あっあぁっ」


……という声が聞こえた。



…俺は、泣きながら逃げた。


○月χ日(土)

いい加減にしてくれ。
俺はもう限界だ。
俺は気配を感じてもらえないほど影が薄いのか?
それともあのカップル共が本当の意味で(頭が)バカップルなのか?
ていうか俺はどんだけ副長室に用があるんだ?
真面目に仕事をしている俺がなぜこんな気分にならねばならないのだろうか。
昨日、目撃してしまった現場が目に焼き付いている。
いけないものを見てしまった。
どうやら噂は本当だったようだが、二人の関係はいくとこまでいっているようだった。


○月〓日(日)

今日は珍しく咲夜さんは副長と別行動で、俺と見廻りだった。
中々ない二人きりの機会に胸が高鳴る。
すると、副長室から漏れていた彼女の甘い声を思い出してしまい、俺は身体中が熱くなってどうにかなってしまいそうだった。

「大丈夫?顔、真っ赤よ?」

ふわりと優しい笑みを浮かべて彼女は俺のことを心配してくれた。
ああ、幸せだ。彼女が俺のモノになったらいいのに――て、無理だよな。
でも、ちょっと触るくらいならいいかな?
手を握るとか、肩を叩いてあげるとか…
と、いうことで、俺はその日、日頃疲れが溜まっている咲夜さんの肩をマッサージした。
別に、やましい気はまったくない!
と思う。

「ありがとう、山崎くん。山崎くんも、肩こってるんじゃない?」

と言って、咲夜さんは俺の肩を揉んでくれた!
別に、頼んでなんかいないぞ!
咲夜さんが俺の肩を揉んでくれるなんて…
俺はこの上ない幸せを得た。




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