銀魂 連載
□海に行こう
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「和葉ちゃん、よく似合ってるじゃないか」
「そうですか?水着なんて着たことなかったんですけど」
「和葉ちゃんスタイル良いし、本当に似合ってるよ。なぁ、みんな」
いつの間にか和葉の周りに隊士たちが群がっていて、皆が口々に和葉の水着姿を絶賛する。
「いやぁ、いいね。やっぱ女は膨らむとこは膨らんで、締まるとこは締まってねぇとな。
やばいわ、俺好みだわ、どうしよ」
隊士たちに紛れている銀髪の男が一人、和葉の姿をまじまじと見つめて呟いた。
少し離れたところから、お妙の声が聞こえた。
「銀さーん?何か言いましたー?」
「いやいや、女はやっぱ胸ないと――」
ゴッ!!
「て…訂正するわ…や、やっぱ女はスレンダーなほうがいいよねー…断崖絶ぺっ――」
ゴッ!!
「万事屋!お前何でここにいる!?」
スイカまみれになって突っ伏す銀時に、近藤が尋ねた。
彼は鼻血をたらりと垂らしながら辛そうに立ち上がって言う。
「何って海水浴に決まってんだろ。ガキ共が行きてぇってうるさかったんだよ」
「銀ちゃーん!そこの岩陰でカニ見つけたアル!コレ食べられるアルか?」
水着姿の神楽が、小さなカニを手に嬉しそうに駆け寄ってきた。
その後に、新八とお妙もやってくる。
「つーかお前らこそ何やってんの?江戸ほっぽりだしてみんなで海水浴ですか。水着のねーちゃん拝みに来たんですか」
「いやそれお前だろ」
土方が冷静にツッコむ。
そして苦い表情で煙草を噛み締めた。
やはり海なんかに来てロクなことはない、と。
「チッ、何でこんなとこまで来てこいつらのむさ苦しい顔見なきゃいけねーんだ。オイ、いくぞおめーら。ついでに和葉も来い」
「嫌です」
「…よし、行くぞー」
「銀ちゃん、何で涙目になってるアルか?」
「うるせぇ!涙目なんかじゃねえっつの」
納得のいかない顔をしながら、銀時は三人を引き連れて海に入っていった。
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