銀魂 連載
□海に行こう
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真上にあった太陽が傾き始め、一段と暑さが増してきた。
浜辺では万事屋一行vs真選組のビーチバレー対決が、神楽と沖田のバトルによりヒートアップしている頃だった。
ひたすら海で泳いでいる者もいれば、泳ぎ疲れて海小屋で休んでいる者いる。
泳ぎ疲れていなくても休んでいるのが、この二人だった。
「はい」
和葉は素っ気無くそう言って缶コーヒーを土方に手渡す。
パラソルの下でまったり腰をかけながら、規則的に打ち引く波を眺める土方の隣に座った。
「お前は混ざってこなくていいのか?」
「後で行きます。日中温められた生ぬるい海水に浸かっても気持ち悪いですし。
それより、土方さんこそ何もしないんですか?さっきからずっとボーッと海眺めてるだけですけど」
「俺は別に…」
「せっかく水着着てるのに、泳ぐ気なしですね」
辛うじて水着は着ているが、その上にTシャツを着ているからそうとれる。
土方は先ほどからここを動こうとはしなかった。
正直早く帰りたい。
土方は皆が飽き始めるのをひたすら待っていた。
「やっぱり、みんなが盛り上がってる間に行ってきますよ。そのほうが目立たないし」
「ああ、そうか、行って来い行って来い」
おもむろに隣で立ち上がる和葉とは反対に、土方はレジャーシートの上に寝転んだ。
すらっと伸びた白い足が隣に立っていて、所々戦いで負ったとみられる傷跡は残っているものの、それは見とれるほどに綺麗な足だった。
(何考えてんだ俺は…)
土方は考えを振り払うように首を横に振った。
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