銀魂 連載
□ただいま
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「久しぶりだな…」
真選組屯所。
ここの前に立つのは、ずいぶん前な気がする。
あの時は、何の気もなしに市中見廻りに出かけたのだった。
それから、あんなことになるなんて…
迷惑をかけたくはなかったのだが、結果、彼らには迷惑をかけてしまった。
もっと早く素直になっていればよかった、と今になって後悔する。
なんだか新鮮な気持ちで、屯所に足を踏み入れた。
パンッ!パンッ!
「!!」
「おかえりなさい!和葉隊長ー!」
会議室に来いと近藤さんに言われていたので、その通りに会議室の襖を開ければ、大量のクラッカーが鳴り響き、ずらりと並んだ隊士たちが出迎えていた。
「え…?」
一人で戸惑っていると、近藤さんが私の近くへ来て言った。
「おかえり、和葉ちゃん。みんな、待ってたんだよ」
「待ってた?…私を?」
目の前に立つ隊士たちを眺めて、私は唖然とした。
たかが2、3週間入院していただけなのに…
「あの、嬉しいんですけど…でも、なんでこんなわざわざ?」
「なんていうか、和葉ちゃん、この間まであんまり真選組に馴染んでなかったでしょ?
いろいろ、不安なこともあっただろうし、改めて、みんなで歓迎しようって、なぁ?」
「あぁ、そうだ!」
「待ってたぜ!和葉隊長!」
「おかえりー!」
近藤が言うと、みんなは笑みを見せながら同意した。
それはすごくいい景色で、私はしばらく見とれていた。
「ありがとうございます…皆さん…」
私は言いながら、深々と頭を下げた。
そして顔を上げると、そこには自然と笑みが浮かんでいた。
「ただいま――」
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