銀魂 短編


□見つめる先は
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あいつはいつも、ある一点をじっと見つめている。

グラウンドの片隅にある木陰に座って、何をするけでもなく、ただ見つめている。

その瞳に映るのは、おそらく…

「ワリィ!大丈夫か?」

グラウンドのほうから、一人の男が走ってきた。

彼女は飛んできたサッカーボールを拾って、彼に手渡す。

「はい、どうぞ」

「サンキュー」

男に見せたその笑みは、きっとオレには見せてくれないのだろう。

そう思った。

彼女の瞳には、彼の姿しか映っていないのだから。



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