銀魂 連載
□仲間
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『こんなところで、何をしているんですか?』
背後から聞こえた声に、私は肩越しに振り返った。
『人を…斬っていたの』
『なぜ?』
その男は白い外套に身を包み、眼鏡をかけていた。
私の前に転がる一人の男を眺め、彼は私を見つめてきた。
『こいつ、最近騒がれている辻斬りですね』
その飄々としたたたずまいに、私は身構えた。
『あなたが一人でやったのですか?』
『だったら何?』
私は淡々とした声で言い返す。
なんだか面倒に巻き込まれそうな予感がして、私は刀を腰にしまうと、立ち去ろうとした。
しかしそんな私の手を、彼は掴む。
『あなたですね。人斬りの悪魔、紅姫さんというのは』
男は血にまみれた私の紅い髪を見て、そう言った。
『…………』
『あなたのような危険、もとい優秀な腕を持つ一匹狼を放ってはおけません』
彼は私の腕をすっと放すと、血の滴る男を担いで歩き出した。
『私のところへ来なさい。きっとその力、存分に発揮できるでしょう…』
『あなたは…』
私は、男の背に問うた。
彼は振り向かずに言う。
『あと、メル友になってください』
それが、佐々木異三郎という男だった。
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