カカシ 短編


□好きです、先輩
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カカシ先輩。

私は、あなたが好きです。

ずっと、ずっと前から。

あなたに出会ってから、ずっと。

あなたは私のこと…




好きです、先輩




「どうした?」

黙々と読書にふける先輩の横顔を呆然と見つめていると、いきなりそう言われた。

私は、はっとなって、彼から目を反らした。

「カカシ先輩は、好きな人いないんですか?」

どうしてか、なんの前振りもなく私はそう尋ねた。

後から、尋ねたことを少しだけ後悔していると、カカシ先輩はさらりと答えた。

「いるよ」

ただ一言。そう言って静かに本のページをめくった。



私は先輩の背中をずっと見てきた。

ずっと追いかけてきた。

いつか、その隣に立ちたい。そう思って、憧れを抱いてきた。

でも、後ろ姿を見るのは、もうやめようと思う。

先輩の横顔を見て、思った。

しばらく黙っていた私に、カカシ先輩は不思議そうに眉をひそめて言った。

「“おまえが好きだ”って、先週言ったでしょ?」

私が想いを伝える前に、カカシ先輩からそう告白された。

でも、どこか信じられない自分がいたから、私は返事をせずにいた。

今まで、忍として信頼してきた先輩の隣に自分が立っていていいのか…

怖がって逃げている自分がいた。

でも、もう決心がついた。

「カカシ先輩は…私のこと好きですか?」

私は確かめたくて、問う。

先輩は、困ったようにため息を漏らした後、パタリと本を閉じて言った。

「うん、好き」

そう言った先輩の笑顔を見て、私の頬もほころんだ。





カカシ先輩。

私は、あなたが大好きです。



end

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