カカシ 短編


□ナルトの作戦
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ある日のこと、オレは食器洗いをしているねーちゃんに聞いた。

「なぁ、ルミのねーちゃん」

「ん?なにー?」

「ねーちゃんてさ、カカシ先生に告白しねーの?」

「え゛っ!?」

ガタンッと音を立ててねーちゃんの手から茶碗が落ちた。

「動揺しすぎだってばよ」

「ナルトがいきなり変なこと言うからでしょ…!」

ルミのねーちゃん。

オレの世話役だかなんだかで、たまに家に来てメシ作ってくれたり、掃除してってくれたりする。

オレのこと気に入ってくれているみたいで、任務もあって忙しいのに、週末は必ず家に来て家事を手伝ってくれている。

そんなルミのねーちゃんは、なんだか本当の姉のような母親のような存在で、一人暮らしの寂しさを忘れさせてくれる大切な存在だ。

でもさ、

オレばっかに尽くしてくれるのは嬉しいんだけど、ルミのねーちゃんてば人のことばっかりで、自分のことなんて考えてないんだ。

「オレばっかにかまってないでさ、カカシ先生とデートにでも行けばいいだろ」

「そっそんなの無理に決まってるでしょ!恋人同士じゃあるまいし…」

「だから、告白しないの?って!!」

少し強く言うと、ルミのねーちゃんは顔を赤らめて黙り込んでしまった。

別に責めてるつもりはねーんだけど…

「あのさ、あのさ。カカシ先生とは今どうなってんの?」

オレはねーちゃんが洗った皿を拭きながら聞いた。

「どうって…別に…」

「まだ進展ねぇのかよぉ!ルミのねーちゃん、カカシ先生のこと好きになって何年経ってんだってばよ!いい加減、好きって言わなきゃ!」

「いいの!今はまだ、憧れの先輩として見ていたいの」

「だぁーっ!じれったいんだってばよ!ルミのねーちゃんもカカシ先生もお互い好きなのに、なんで告白しようとしないんだよ!」

オレは頭を掻きむしって叫んだ。

ねーちゃんてばカカシ先生のこと好きだってもうかれこれ三年は言い続けてる。

なのに、よく進展なしで我慢してられるってばよ。

本当は、ルミのねーちゃんも脈アリだって気づいてるはずなのに…

カカシ先生だって、自分がねーちゃんに好かれてることくらいお見通しだってばよ。

オレにだって分かるんだから、先生が気づかないわけないんだ。

だからじれったい。

二人を見てるとすっごいじれったくて、早く付き合っちゃえばいいのにって思う。

「ルミのねーちゃんが告白する前に、カカシ先生に彼女ができたらどうすんだってばよ。年齢的に結婚したっておかしくねーのに」

それが一番心配だった。

オレってば、ルミのねーちゃんとカカシ先生がくっつくことしか認められねぇから。

それくらい二人はお似合いだし思うし、オレはそうなってほしいとずっと願ってるんだ。

でも、ルミのねーちゃんてばお人好しだから…

「それならそれでいいの。カカシさんが選ぶことなんだから」

そう言ってルミのねーちゃんが笑ってると、なんだか胸が締め付けられる。

もっと、自分のこと大事にしろってばよ…

最近、ルミのねーちゃんのこと見てるとなんだか切なくて…

だからオレってば決めたんだってばよ。



【ルミのねーちゃんとカカシ先生をくっつける大作戦!!】



オレは散らかっていた広告チラシの裏を机に広げて、そこにマジックペンででかでかと書いた。

明日から、オレが二人の恋のキューピッドになってやるってばよ!

「ルミのねーちゃん!明日、暇?」
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