カカシ 短編


□ナルトの作戦
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「ナルトっ!綱手様がお呼びよ!」

一楽についてまもなく、ラーメンが出される前にサクラちゃんがやってきた。

「え…でもオレってば…」

「ほら!さっさと行くわよ!カカシ先生とルミさんはどうぞごゆっくり〜」

オレはサクラちゃんに乱暴に店の外へ引きずり出された。

作戦その二。

二人きりにする。

「もうなんなのよ!こんなことに私を使うなんて」

「ごめんってばよサクラちゃん…でも、サクラちゃんだってあの二人のことは応援してんだろ?」

「まぁ…そうだけど…」

サクラちゃんに事情を説明して、協力してもらうことにした。

なんでも、この先が難関だからな…

二人きりになった様子を、少し離れたところから伺う。

上忍二人相手に気づかれないようにするには、かなり慎重に動かないといけない。

「…なんだったんでしょうね、今の」

「奢るって言い出したのナルトなのに…まさか逃げたか?」

うーん…会話が聞こえねぇってばよ…

「まぁ、よかったかもね。アイツに奢られたら里に雹が降る」

「雨どころじゃないですね」

ヘックション!

…なんか、悪口言われてるような…

「ちょっと!気ぃ抜かないでよ!ばれたらどうすんの!?」

「痛っ!ごめんだってばよ…」

サクラちゃんにほっぺたをつねられて(怪力)、気を引き締め直した。

「でもさ、あの二人がただラーメン食べるだけで帰ったらどうすんのよ?」

「あの二人に限ってそれはねーってばよ」

「そうかしら。結構あっさりしてるとこあるじゃない?あの二人…」

サクラちゃんは疑わしげに様子を伺った。

カカシ先生たちはラーメンをさっさと食べ終えると、長居はせずにすぐに店を出て行った。

俺たちはそのあとを慎重に尾行する。

ふらふらと二人で商店街を歩きながら、何をするわけでもなく談笑していた。

「どこに行く気かしら…やっぱり帰るんじゃ…?」

二人は、近くの丘の上にのぼっていった。

里を見渡せる高い位置にあって、そこの柵にもたれかかった。

「ほらっ!すぐには帰らないだろ?」

「って言っても、ただ喋ってるだけじゃない。茶屋とか行けばいいのに…」

「そこは、二人きりがいいんだってばよ」

「あ、なるほどー」

オレとサクラちゃんはできるだけ二人に近い木の上から、見下ろして、ニヤリと笑った。

「で、次はどうすんの?このままじゃいつもの二人じゃない」

コソコソと

「もちろん、次の作戦もあるってばよ!作戦その三!」

「なになに!?」

興味津々のサクラちゃんに、こそりと耳打ちをした。

「“ハプニング”だってばよ」

「ハプニング?何それ、どういうこと?」

「ほらっ!マンガではよくあるだろ?倒れ掛かってチューしちゃうやつ!」

「はぁぁあ?」

サクラちゃんは呆れたように顔をゆがめた。

「あのねぇ、それは現実的に考えてありえないでしょ!だいたい、それをどうやるつもりなのよ?」

「どうって、そんなの簡単だってばよ!ルミのねーちゃんをよろけさせればいいんだ」

「上忍が日常でよろけて倒れこむと思う?倒れたとしてもカカシ先生まで巻き込めないでしょ?んでもってキスだなんてもってのほかよ」

もっともなことを言われて一瞬たじろいだが、オレには切り札がある。

「サクラちゃんてば、分かってないなー」

「あ゛?何よその顔」

「痛い痛いっ…サクラちゃん、ねーちゃんの弱点って知ってる?」

ちょっとバカにした顔にイラついたのか、サクラちゃんはまたオレのほっぺを、今度は両手でつねってひっぱりながら首を傾げた。

「弱点?…お酒には弱いって聞いたけど、まさかお酒飲ませてっ」

「ブッブー!違うってばよ。ねーちゃんの最大の弱点は…」

オレってば、ルミのねーちゃんと過ごしてて分かったんだ。

ルミのねーちゃんも女だからな…

「コイツだってばよ!」

「え…や…ちょっと…アンタそれっ…」

オレがビニール袋から取り出した“コイツ”を見てサクラちゃんの顔が一気に青ざめた。

「やっぱりサクラちゃんも苦手なんだな、ゴキっ」

「いや゛ぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!来るなぁバカナルトぉぉぉぉ!!」

「ちょ、サクラちゃん!落ちるっ落ちるっ!下にカカシ先生たちがっ」

サクラちゃんの右ストレートをきれいに食らって、オレはきれいに宙を舞った。

「!危ないっルミっ」

「わっ!?」
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