カカシ 短編


□二人の関係
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ボクは、最近不思議に思うことがある。

それは、“恋人同士”とはどういう関係なのかということ。

サクラに聞いてみたら、

『お互いに好意を持っていて、愛し合っている人たち』

という関係なのだと言っていたけど、

ボクは恋人同士といえる関係にあたる人がいたことはないから、正直よく分からない。

たとえるなら、アスマさんと紅さんの二人をさすらしい。

ならば、この二人はどうなるのだろう。




「カカシさん、お疲れ様でした」

「お疲れ。良かったら、この後飲みに行かない?」

「あ、はい!行きます行きます」

カカシ先輩とルミさん。

この二人の関係をサクラに尋ねたら、

『友達以上恋人未満』

と言われた。

友達以上とは恋人のことで、恋人未満とは友達のことだとしたら、

“友達以上恋人未満”という二人はどういう関係なのかますます分からない。

二人はいつも一緒にいるし、こうして任務の後に二人で食事に行くところはよく見る。

それだけなら友達なのだろうけど、

ルミさんはカカシ先輩のことを好きだと言っていたし、

ナルト曰く、カカシ先輩もルミさんのことが好きなのらしい。

『なら、どうして恋人とは言えないんだろう?』

女心はまだイマイチ分からないから、ナルトに訊いてみた。

『分かってねぇな、サイは。恋人ってのは、友達じゃできないことをやるんだってばよ』

『それって、どういうこと?』

『それは…チューとか?』

『チュー?ネズミ?』

『キスだよキス!唇を合わせるんだってばよ!』

そうか、ならあの二人は“恋人同士”と言えるだろう。

なぜなら、お酒の席でカカシ先輩とルミさんが、チューをしているところを見たことがあるからだ。

随分酔っている様子だったけれど。

それをナルトに言ったら、すごく驚いていたけど、

『それはルミのねーちゃんが酔ってただけだってばよ!だいたい、オレなんか酔ってなくてもされんだから!』

と言っていたから、どうやらルミさんと恋人同士なのは、カカシ先輩じゃなくてナルトだったようだ。

サクラのことは、やっぱりブスだから好きじゃなかったんだね。

確かに、いつも『ナルトーー!』と叫んでルミさんがナルトに抱きついているのを見たことがある。

ナルトの家に行って、掃除をしたり食事を作ったり、面倒もみているようだし。

だからあの二人は恋人未満なんだ。

これで合点がつく。

サクラの言っていたことは間違いなかったみたいだ。

「あ、サイ君もお疲れ様」

ルミさんがニコリと笑ってボクに言う。

「お疲れ様です。あの、ルミさん」

「ん?」

「浮気はダメですよ」

「え?は?どういうこと?」

ボクは精一杯の笑顔を作って言ったが、伝わらなかったのかルミさんは困惑していた。

そういえば、

カカシ先輩とルミさんとナルトとサクラ。

この四人の関係を、“四角関係”というのだろうか…




二人の関係




恋愛って、難しいなぁ…





end

一応、コミカルにしたつもり。

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